7日に発表された最新の公的データによると、今年1-2月には中国の対外貿易が素晴らしい成果を挙げた。輸出入額は前年同期比32.2%増加し、うち輸出は50.1%増加した。2月の輸出増加率は139.5%に達した。中国新聞社が伝えた。
対外貿易が好調なスタートを切った重要な原因の1つは、比較の対象となる前年同期の基数が低かったからだ。新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年1-2月の輸出入額は同10%近く減少した。
主要貿易パートナーの経済が回復したことも、中国の対外貿易の力強いスタートを支えた。財政活性化プランにより、年初以来、欧米をはじめとする主要エコノミーの消費が回復し、製造業の景況も目に見えて改善し、中国製品に対する需要が高まった。
金融情報サービス会社マークイットのまとめたデータによれば、2月には米国、ユーロ圏、日本の製造業購買担当者景気指数(PMI)の速報値はいずれも景気・不景気のボーダーラインとなる50を上回った。招商証券の謝亜軒マクロアナリストは、「欧米日のPMIは好調を維持し、新興エコノミーのPMIも目に見えて回復し、中国の輸出にとって力強い支えになった」との見方を示した。
また今年は中国で大勢の労働者が感染症対策のため「今いるところで年越し」が必要になり、輸出の一部が「前倒し」して行なわれた。税関総署の調査研究によると、広東省や浙江省などの対外貿易が盛んな省では、多くの企業が春節(旧正月、今年は2月12日)連休期間にも従業員が帰省しなかったため操業を停止せず、これまでは連休が終わった時にしか引き渡せなかった分を正常に引き渡しすることができた。
アナリストによれば、「今後しばらく中国の対外貿易の高度成長傾向は続くだろう」という。
輸出については、スイスのUBSグループの汪涛アジア経済研究主管は、「複数のワクチンが次々に市場に出回り、大規模な接種が行なわれるのに伴って、今年第2四半期(4-6月)以降は世界の新型コロナ感染者が大幅に減少し、グローバル経済は目に見えて反転上昇し、このことが中国の輸出をより一層支えることになるだろう」と予想した。
平安証券の鍾正生チーフエコノミストも、「2021年も中国の輸出商品需要が引き続き堅調だろう。米国の大規模な財政措置と不動産投資の増大を考えると、米国需要の中国の輸出に対する力強い牽引が今後1-2四半期は続く見込みだ。同時に、新型コロナワクチンの接種が推進されるのに伴って、欧州需要の中国の輸出に対する牽引も今後2-3四半期に徐々に増強されるとみられる。一方で、その他の発展途上国と新興エコノミーは第3四半期(7-9月)になって、ようやく海外からの注文に応える生産能力が完全に回復するだろう」と予想した。
輸入については、中国経済の加速度的な回復は中国国内市場を拡大し、輸入の回復を推進する上でプラスになる。
中国は昨年、世界で唯一のプラス成長を実現した主要エコノミーになった。多くの経済学者が、「今年の中国経済は引き続き他国を大きく上回り、成長率が8%を超える可能性がある。中国国内経済が好転し続けるのにともなって、輸入も安定して拡大するだろう」との見方を示した。
またこのほど発表された政府活動報告によれば、今年は中国の対外貿易政策へのサポートが低下するということはない。中小の対外貿易企業に対する支援を強化し、輸出取引信用保険のカバー範囲を拡大する。越境ECなどの新業態・新モデルを発展させ、企業が多様化した市場を開拓するのを支援する。輸入をめぐる税制を最適化・調整し、高品質の製品とサービスの輸入を増やす。こうした一連の政策・措置はすべて対外貿易の安定をサポートすることになる。
今年の中国対外貿易が成長を維持することはほぼ間違いないが、具体的な動向は昨年の「前低後高」とは明らかに違ったものになるだろう。
中国チーフエコノミストフォーラムの連平理事長は、「下半期には各国の感染状況がワクチンの普及で目に見えて緩和される可能性があり、防疫関連商品のニーズは徐々に減少していくだろう。新興エコノミーの生産能力も徐々に回復し、これに人民元の上昇が輸出に与える影響が徐々に顕在化することが加わって、中国の輸出増加率は鈍化するかもしれない」と予想した。
前出の鍾氏によれば、「比較の対象となる昨年の基数の影響で、今年5月までは中国の輸出の月間増加率は上昇して高い水準に達し、それから低下に転じるだろう」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月10日