新型コロナウイルス感染症が適切に抑制されているため、中国は国内消費が回復し、海外からの注文が増加し、求人も徐々に増えている。2020年の企業の求人には急速な反転上昇傾向がみられる。
感染症の中で急速に回復するのはどの業界か?
オンライン求人のビッグデータをみると、人材派遣会社の前程無憂のサイトでは、20年2月の求人数は19年同期の60%に満たなかったが、第3四半期(7-9月)になると前年同期の90%に達成した。20年に求人数が最も多かった月は9月だった。11月と12月の求人数はプラス成長になり、前年同期に比べてそれぞれ2.7%、7.9%増加し、18年の水準に到達した。
中国就業研究所が就職情報サイトの智聯招聘が発表した20年第4四半期(10-12月)の「中国雇用市場景気指数報告」に基づいて発表したところでも、同期の中国雇用市場景気指数は1.95で、同年第1四半期(1-3月)の1.43、第2四半期(4-6月)の1.35、第3四半期の1.89を上回り、雇用市場が持続的回復傾向にあることを示した。
注目されるのは、不動産情報サイトの58同城のデータに基づくブルーカラー雇用景気指数が20年後半に大幅上昇して、過去最高の3.89に達し、19年同期の水準をはるかに上回ったことだ。
中国人民大学中国就業研究所の曽湘泉所長は、「ブルーカラー指数の上昇は中国の経済情勢と関係があり、とりわけ対外貿易がもたらした製造業の伸びと関係がある」との見方を示した。
人的資源・社会保障部(省)の総合統計モニタリング・調査研究データも、20年には雇用情勢が四半期ごとに好転し、全体として安定し、予測を上回ったことを示している。全国都市部の新規雇用者数は1186万人に上り、都市部の調査失業率は2月の6.2%という過去最高の数字から徐々に回復して、12月は5.2%に低下し、前年同期並みになった。出稼ぎ労働者の規模は基本的に前年同期の水準に戻った。全国の貧困層の出稼ぎ労働者は3243万人に上り、前年の水準を上回った。
前程無憂はオンライン求人が行われている業界を61種類に分類した。20年下半期にはすべての業界の求人数が上半期を超え、11業界は前年下半期の水準を超えた。求人数が多い上位20業界では、不動産業が3年ぶりにインターネット・EC業界を抜いて首位に返り咲いた。
20年下半期の不動産業の求人数は前年同期比15.6%増加し、同年上半期比では28.7%増加した。不動産と関連する建設業界、機械・設備・重機業界などの求人は20年下半期に大幅に増加し、前年同期比では建設が10.6%増加し、機械・設備・重機が15.8%増加した。
求人数の上位20業界のうち、医療機器業界の伸びが最も大きく、20年下半期は19年同期比16.3%増加し、20年上半期に比べて24.8%増加し、海外からの注文が大幅に増加したことで求人も大幅に増加した。製薬・生物工学業界も20年下半期の求人が前年同期比8.3%増加し、前期比12.3%増加した。
半導体業界は人材獲得競争が非常に激しく、20年下半期の求人は1年前に比べて14.9%増加した。このため同業界は20年に給与上昇幅が最も大きい業界になった。
前程無憂の予測では、21年には不動産業と建設業が引き続き雇用を支える可能性が高く、ヘルスケア・医療、農林水産・牧畜、専門サービス、検査・認証などの業界の雇用が大きく増加する見込みだ。また、ソフトウェア開発・半導体や教育・研修などの業界では合併買収(M&A)・統合がより多く行われるようになるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月20日