嫦娥5号の上昇モジュール、月面で点火。画像は国家航天局が提供
国家航天局によると、月探査機「嫦娥5号」の上昇モジュールの3000ニュートンエンジンが3日午後11時10分、約6分間の稼働により、試料が搭載された上昇モジュールを予定の月周回軌道に送り込んだ。中国が地球外天体から離陸を実現したのはこれが初めてだ。科技日報が伝えた。
地上からの離陸と異なり、嫦娥5号の上昇モジュールの月面離陸には成熟した発射台システムがなく、着陸モジュールが上昇モジュールの「仮設発射台」となる。上昇モジュールの離陸には、その初期基準と離陸プラットフォームの姿勢が不確実で、エンジンのプルームの空間が限られ、地球と月の環境が異なるといった問題がある。また月に衛星測位システムがないため、上昇モジュールは離陸後に地上からの測量・制御アシストを受けながら、内蔵された特殊センサーにより自主的に測位し、姿勢を整える必要がある。
北京宇宙飛行制御センターで3日撮影された、飛行中の嫦娥5号の上昇モジュール。撮影・新華社記者金立旺
点火・離陸前、着陸モジュールと上昇モジュールの結合体は月面国旗展開及び上昇モジュール・着陸モジュールのロック解除・切り離しを実現した。中国は今回初めて月面で国旗を広げた。点火・離陸後、上昇モジュールは垂直上昇、姿勢調整、軌道投入の3つの段階を経て、予定の月周回軌道に入った。その後上昇モジュールは月周回軌道で待機している軌道モジュールと帰還モジュールの結合体とランデブー・ドッキングし、月の試料を帰還モジュールに移す。後者は地球周回軌道に移る適切なタイミングを待ち、地球に帰還する準備を整える。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年12月4日