香港地区のアジアワールドエキスポをコロナ患者専用の臨時医療施設に転用

人民網日本語版 2020年08月04日09:50

香港国際空港の北側にある大型展示施設・香港アジア国際博覧館(アジアワールドエキスポ)の1号館がこのほど、「方艙医院(臨時医療施設)」に転用され、今月1日に正式に運用を開始し、同日正午から新型コロナウイルス感染患者の受け入れを始めた。展示施設として使われていたこの場所が今、香港地区の新型コロナウイルスとの闘いに、希望を与えている。新華社が報じた。

臨時医療施設に転用された香港アジアワールドエキスポ(8月1日撮影・呉暁初)。

香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は先ごろ、「現在、香港地区の新型コロナウイルス感染状況は、1月以来最も深刻で、大規模流行のリスクが日に日に高まっている。香港病院管理局(Hospital Authority)傘下の公立病院は既にキャパシティーオーバーとなっており、一部の感染者はすぐには入院できない状態」と明らかにしていた。

そのため、軽症患者を受け入れることができる臨時医療施設の設置が急務となっていた。同施設は、主に18歳から60歳までの患者を受け入れる。キャパシティーに限りがある病院は、60歳以上の患者、または深刻な慢性疾患を抱える患者を優先的に受け入れるという。

1日に同施設を取材すると、 病床数は500床で、患者一人当たり約9平方メートルの独立した空間が設けられていた。各病床は3方向に衝立が設置されているものの、吹き抜けとなっており、衝立には透明の窓ガラスも設けられ、患者の様子を確認できるようになっている。

香港アジアワールドエキスポに設けられた臨時医療施設のレントゲン室(8月1日撮影・呉暁初)。

香港病院管理局の梁明看護師長によると、患者は施設の中で自由に活動できるものの、サージカルマスク着用が義務付けられている。また、医療従事者は施設に入る時に必ずN95マスク、フェースシールドを着用し、防護服を着用しなければならない。

ウイルスが空気を通して拡散するのを防ぐために、臨時医療施設には、簡易陰圧装置となる高性能空気フィルターが各所に設置されている。瑪麗病院のシニア看護主任・黄淑貞氏によると、同施設には、医師、看護師などの医療従事者が、朝昼晩の三交代制勤務の24時間態勢で治療に当たっている。医療従事者の多くが、自ら志願して来た香港の各病院の医療従事者となっている。

防護対策を説明する医療従事者(8月1日撮影・呉暁初)。

臨時医療施設には、薬局、レントゲン室、多くの血圧計、検体収集箱などの医療施設のほか、トイレ31ヶ所、移動シャワールーム5ヶ所、さらに、多くの消毒手洗い台、テレビがある公共活動エリア2ヶ所などが設置され、患者が基本的な生活を送ることができるようになっている。そして、毎日、専門のスタッフが食事や薬を患者に配付することになっている。(編集KN)

臨時医療施設の内部の様子を映しだした液晶画面(8月1日撮影・呉暁初)。

医療従事者専用の待機エリア(8月1日撮影・呉暁初)。

物資の準備をするスタッフ(8月1日撮影・呉暁初)。

臨時医療施設の病床の様子(8月1日撮影・呉暁初)。

薬品カー(8月1日撮影・呉暁初)。

作業する医療従事者(8月1日撮影・呉暁初)。

「人民網日本語版」2020年8月4日 

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