中国の南極・崑崙基地に設置されている独自開発の設備により、中国科学院国家天文台など国内外の機関の研究チームが初めて、南極アイスドームAの夜間の大気のシーイングを初めて測量した。アイスドームAが地球上の夜間恒星観測に最も適した場所であることが分かり、崑崙基地のあるアイスドームAエリアが、光学天文観測の総合性能でその他のすべての地上基地よりも優れていることが証明された。関連研究成果は29日、ネイチャー誌(電子版)に掲載された。科技日報が伝えた。
地球で星空を仰ぎ見る時に直面する最大の問題はシーイングだ。シーイングとは望遠鏡で宇宙現象を観測する際に大気のゆらぎがもたらすぼやけの程度を指す。シーイングが低いほど、恒星を観測する際に大気のゆらぎによるブレが小さくなるため、写真の宇宙現象もより鮮明になり、薄暗い天体の観測効率も高くなる。世界最良の望遠鏡は現在、米国のハワイ及びチリ北部の優れた観測所に設置されており、シーイングは通常0.6-0.8秒角だ。
独自開発した崑崙シーイング望遠鏡「KL-DIMM」により、研究者はアイスドームAの夜間のシーイング測量データを取得した。そのデータによると、アイスドームAの自由大気シーイングの平均値は0.31秒角のみで、最高で0.13秒角。そして地面から8メートル離れた高さで、31%の時間に自由大気シーイングが得られ、地面から14メートル離れた高さで、半分近くの時間に自由大気シーイングが得られる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年7月30日