ポンペオ米国務長官の先日の香港地区に関する発言について、中国外交部(外務省)の華春瑩報道官は8日の定例記者会見で「これら米国の政治屋が真に関心を持っているのは香港地区の人々の自由ではなく、彼らがしたい放題に中国の国家の安全を破壊する『自由』だ」と述べた。
【記者】米英などの国は香港関連の国家安全立法に強い反応を示している。ポンペオ米国務長官は先日メディアに、中国共産党は香港地区の人々に約束した自由を与えることを拒絶し、英国と調印した協定の約束に違反したと述べた。これについて、中国側としてコメントは。
【華報道官】「中英共同宣言」は香港地区の中国復帰及び移行期の取り決めに関する中英間の重要文書であり、計8条の本文と3件の付属文書からなる。第1条は中国の香港地区に対する主権行使の回復を定めている。第2条は英国が香港地区を中国に返還することを定めている。香港地区の祖国復帰後、すでにこの2条は履行を同時に完了した。第3条及び付属文書一は、中国側の香港地区に対する基本的な方針と政策に関する原則を明らかにし、具体的に説明したものであり、中国側の政策表明だ。第4条から第6条及び付属文書二、付属文書三は復帰の移行期における両国の取り決めを定めている。第7条と第8条は実施と発効に関する条項だ。英側と関係する条項は香港地区の祖国復帰及び後続の各作業の完成に伴い、すでにいずれも履行を完了した。中国側による香港関連の国家安全立法を含め、香港地区における「一国二制度」実施の法的根拠は中国憲法と基本法であり、「中英共同宣言」ではない。
ポンペオ国務長官は中国側は香港地区の人々に自由を与えるのを拒絶していると言う。我々は彼に答えてもらってもいいだろう。英国が香港地区を植民地支配していた156年間、香港地区に民主と自由はあったのか?28人の香港総督のうち、どの一人が香港民衆の選挙により選ばれたのか?当時香港人に、街に出て抗議デモを行う自由はあったのか?植民地支配期、英国は香港地区に「反逆法」も適用した。
今回の全人代の香港関連の国家安全立法が対象としているのは国家分裂、国家政権転覆、テロ活動の組織及び実施、外国と中国大陸部外の勢力による香港地区の事への干渉という4種類の活動であり、対象としているのは極少数の者による国家の安全を深刻な危険にさらす行為であり、無数の香港住民が法に基づき享有する諸権利・自由に影響を与えることがないばかりか、反対に無数の香港住民の合法的な権利と自由が安全な環境の下でより良く行使されるようにする。従って、法規を遵守する香港市民及び外国人投資家は何ら全く憂慮する必要はない。
これら米側の政治屋がこれほど強く反応する理由も非常に明白だ。彼らが真に関心を持っているのは香港地区の人々の自由ではなく、彼らがしたい放題に中国の国家の安全を破壊する『自由』であるからだ。ポンペオ国務長官は以前、香港地区の価値は中国に影響を与える『自由の堡塁』となれることにあると語った。これこそが彼の内心深くの本当の考えだ。
国家の安全の維持はどの国でも中央政府の権限に属する。香港関連の国家安全立法は憲法と香港基本法の規定に基づき国家の安全を維持する権力と責任を履行するものであり、香港特区における国家安全の穴をふさぎ、中国の国家安全をしっかりと維持するためだ。分裂・転覆・テロ活動、中国の国家安全の破壊に携わる考えのない人たちは全く何も憂慮する必要はないし、ましてや過激な反応をする必要もない。中国側はいかなる外部勢力による香港地区の事への干渉の企てにも断固として反対する。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年6月9日