外交部(外務省)の趙立堅報道官が18日の定例記者会見で質問に答えた。
【記者】世界保健機関(WHO)の190か国近くの加盟国中、100か国以上が新型コロナウイルス感染症に関する「独立調査(inquiry)」の実施を支持している。中国側はWHO総会でこの件を議論することを支持するか。
【趙報道官】その発言は的確とは言えない。先日、EUが第73回WHO総会に新型コロナウイルス感染症対策に関する決議案を提出した。各国はすでに決議案の文言について合意に達した。ウイルスの起源の追跡の問題では、各国は国際保健規則(IHR)突発的事態委員会の提言を参照した表現に同意し、事務局長に国際獣疫事務局(OIE)、国連食糧農業機関(FAO)及び各国と緊密に協力して、現地での共同の科学的考察などの措置を通じてウイルスの動物からの出所及び人への感染ルート、及び可能な中間宿主を明らかにすることを求めている。これは類似した事態の発生リスクを引き下げることが目的だ。これは科学的で専門的な精神の表れだ。WHOの感染症対策への評価実施に関しては、決議は事務局長に適切な時期に、加盟国との協議を経た後に、公正で独立した全面的な評価プロセスを段階的に始動し、WHOの調整した感染症対策の経験と教訓を審議するとともに、将来の活動について提言することを求めている。これはWHOが重大な感染症に対処するたびに行われている通常のやり方でもある。
中国側は各国が今回の総会で、科学的・協力的な精神に基づき、力を集中して国際衛生協力の強化、国際公衆衛生システムの整備について建設的な議論を行うことを希望する。
【記者】新型コロナウイルス感染症対策に関する決議案の文言について各国は合意に達したとおっしゃった。報道官は以前の記者会見で、オーストラリアが「独立調査(inquiry)」を支持するのは政治的目的によるものだとおっしゃったが、中国は立場を変えたのか。
【趙報道官】我々の立場は一貫している。EUが今年のWHO総会に新型コロナウイルス感染症に関する決議案を提出した。各国は十分な討論を経て、決議案の内容について合意に達した。中国側は各国と共に草案の協議に積極的に参加し、かつ現在の文言の協議による一致にも参加した。
世界的な感染拡大という現在の大きな背景の下、この決議の採択はWHOが鍵となるリーダーシップを発揮することを支持し、感染症との戦いにおける現在の国際協力に焦点を合わせることを旨としている。現在の決議案の文言は加盟国に対して必要な措置を講じて差別とスティグマタイゼーションを防止し、誤った情報、虚偽情報を取締り、診断ツール、診療方法、治療薬及びワクチンの研究開発、ウイルスの動物的発生源などの分野で協力を強化するとともに、WHOの感染症対策の取り組みを適切な時期に評価するよう呼びかけている。これらはいずれも中国側の立場と合致する。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年5月19日