経済回復とギアチェンジ・アクセルの「合わせ技」を
感染症の打撃を受けて、中国国内産業の資金チェーンの直面するリスクが徐々に明らかになってきた。ホテルや外食などのサービス業は売上高が崖のように急落し、資金が途絶えるリスクに直面した。製造業は工期の遅れ、労働力不足、原材料価格の値上がりなどの影響で、資金繰りの問題が深刻化した。
資金繰りを保障することは企業が苦境を脱するための重要な原動力になる。これまでに、国も各地も企業の業務再開をバックアップするさまざまな措置を打ち出した。中国銀行保険監督管理委員会広東監管局は中小企業の金融問題を支援する22項目の措置を打ち出し、小規模・零細企業向け金融サービスの「量を増やし、コストを引き下げ、質を高める」方針を打ち出し、これによって貸出の規模は増加を続け、資金調達コストは19年に比べて0.5ポイント低下し、また与信限度額も主体的に引き上げられた。各大手銀行も金融商品を相次いで刷新し、中小・零細企業への資金サービス供給を最適化し、経済が苦境から脱し復興するために資金面で活力を注入した。
不良債権の限度額を引き上げ、感染症をめぐる金融面の支援の過渡期を設定したことは、現在の金融機関のターゲットをしぼった施策とシステムリスク引き下げのための重要な方向性だ。一部の金融機関は時間を可能性に置き換え、貸出の返済猶予などの措置を積極的に推進し、企業に状況を見定めるための一定の観察期間(例えば感染終息から半年-1年など)を与え、観察期間中は顧客のリスク分類を引き下げないとした。金融機関は感染症の影響を受けた企業のために追加融資、返済時期の調整などを行い、これを債務の再編に組み込んで不良債権と認定しないようにして、困難を抱えた企業をバックアップし、金融市場の安定した運営を維持しようとしている。
中国チーフエコノミストフォーラムの連平理事長は、「中国経済に強靱性が備わっていることに疑いの余地はないが、この強靱性は完全に経済の力だけで実現するものではなく、制度や機能を通じて発揮されるものだ」と述べた。
感染症が発生してから、中国の複数の地域は措置を取り、中小企業の運営コストを段階的に引き下げてきた。例えば広東省は「感染症の影響に対処し中小企業への支援の度合いを強めることに関する若干の政策措置」を通達し、リストラや人員削減を行わない企業には納めた失業保険料を返還することとし、企業と従業員が前年に実際に納入した失業保険料の50%を返還する。感染症対策の期間中には、企業の申告納税が遅れることを認める。納税が困難な企業には、法律に基づいて不動産税と都市土地使用税を合理的に減免するとしている。
今後、中国経済とグローバル経済はある程度分化するかもしれず、世界の感染状況がどのように発展するかはまだはっきりしない。ただ長期的にみれば、中国経済が経済回復とギアチェンジ・アクセルの「合わせ技」をしっかり打ち出しさえすれば、持続的で安定した発展という基本的側面は変わらないと思われる。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年4月10日