3月下旬、日本の福岡空港警察署にある特殊な小包が届いた。宛先は松本貴晴警部補(40)と友松修一巡査長(35)となっていた。この小包は中国の広東省から送られてきたもので、開けてみると中にはマスクが45枚と、紙面いっぱいに文字が綴られたお礼の手紙が入っていた。
この45枚のマスクは大きさも色もまちまちで、マスクの送り主が思いを込めて苦労して集めたことが見て取れた。
事の起こりは今年の年初まで遡る。
1月31日、国内の感染状況が最も深刻だったころ、多くのフライトの運航がキャンセルになり、中国広東省から日本に観光に来ていた中国人観光客4人が福岡県から帰れなくなってしまった。30歳前後の女性3人は8歳の男の子を連れており、おまけに言葉も通じず、たちまち苦境に陥り、やむを得ず福岡空港警察署に助けを求めた。その時、当番だった警察官が松本警部補と友松巡査長だったのだ。
幸運なことに松本警部補はかつて中国に留学したことがあり、中国語が話せた。焦る中国人観光客4人に対し、彼はすぐに中国語で優しく慰めの言葉をかけ、辛抱強く彼女らと意思疎通を図った。事情が分かった時にはすでに夜9時になっており、空港が閉まる時間が迫っていた。この時、この4人の観光客の宿泊が難題となった。
松本警部補はすぐにホテルに電話したものの、この日は週末で、15軒ものホテルに電話したが、どこも満室だった。最後になんとか空室のある宿泊施設が見つかり、この4人の観光客はひとまず宿泊先を確保することができた。
話はここで終わらない。翌日の朝、2人の警察官はフライトの予約も手伝い、4人の観光客は飛行機に搭乗して帰国することができた。この2人の警察の助けがあったおかげで、4人は無事に広東省に帰ることができたのだ。
彼女たちは帰国後もこの2人の異国の警察官が助けてくれたことを忘れなかった。感染状況が最も深刻だったころにマスクを45枚集め、彼らに郵送して感謝の気持ちを伝えた。小包には手書きのお礼状が同封されていた。中日2ヶ国語で書かれており、男の子も絵を描いて2人の警察官に送った。
小包は2ヶ月もかかって3月末にようやく2人の警察官の手元に届けられた。手紙を受け取った2人の警察官は、非常に喜び、そして感動した。友松巡査長は、「中国も非常時にある中、きっと大変な苦労をして45枚のマスクを集めてくれたに違いない」と話す。現在、彼らはこの45枚のマスクを同僚たちと分け合って使うことを決めたものの、松本警部補は「使うのが本当にもったいない。この危機が過ぎたら、また福岡に来てほしい」と語った。
ネットユーザーのコメント
@王二麻:これこそが世界のあるべき姿!
@我叫双黄連:この思いやりがあれば、どんなウイルスだって打ち負かせる!
@深海_9211:2人の警官は素晴らしい!いい人が一生幸せでいられますように!
@我叫米米55:日本の警察と中国の観光客に「いいね!」を送りたい。
@張小菁同学:本当に感動した。国と国を越えた人間どうしの友情。
@藍白格子3507:いい人にはいい報いがある。これこそが中国人の最もシンプルな道徳観。
@飛鳥飛:感染拡大が収まったらまた日本に旅行に行きたい~
(編集AK)
「人民網日本語版」2020年4月10日