国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は24日に共同声明を発表し、東京で行われる予定の第32回オリンピック競技大会を1年程度延期し、遅くとも2021年夏までに開催するとした。大会の名称は延期後も「東京2020」のままで変更しないという。第一財経網が伝えた。
実業家の李陵氏は東京五輪延期のニュースに接して、「600万元(1元は約15.7円)分の注文を失った」と嘆いた。
李氏は中国で最も早くスポーツ産業に参入したパイオニアの一人として、タイガー・ウッズの初訪中を実現させ、サッカー中国代表の監督を務めたボラ・ミルティノビッチ氏のビジネス展開を手がけ、紅牛をNBA初の中国ビジネス協力パートナーにすることに成功した。
李氏は昨年、再び世間に姿を現した。五輪イヤーの到来により、中国内外にたくさんの資源をもつ李氏はスポーツビジネスで2回目のピークを迎えるはずだった。新型コロナウイルスによる肺炎で前進の足取りがかき乱されるなど、まったく想像もしなかった。
スポーツマーケティングの専門家である朱小明氏は、「東京五輪は高度に市場化した運営がなされており、延期により巨額の損失が生じることは間違いない」との見方を示した。
直接的な経済損失は約60億ドル
李氏が今回失った600万元分の注文は、東京五輪の中国スポンサー企業によるものだ。現在、企業の中には五輪関連のマーケティングを一時停止したところもあり、この影響が関連する産業チェーンのあらゆる企業に及ぶことになる。
これまでの五輪の経験を踏まえると、開幕まで3-4ヶ月の頃には、スポンサー企業はマーケティングの激しい戦いを繰り広げるものだが、今は関連企業の情報はあまり聞こえてこない。李氏は、「今は多くの企業が様子見をしているだけでなく、さまざまな対応プランを積極的に模索している」と話した。
実際、他のイベントと同様、五輪も放映権の販売、スポンサー料、チケットの売り上げを主な収入源とする。
東京五輪のスポンサーには4種類ある。最高ランクはIOCのワールドワイドオリンピックパートナーで、コカコーラ、阿里巴巴(アリババ)、アトス、ブリジストン、ダウ、ゼネラル・エレクトリック(GE)、インテル、パナソニック、トヨタなどのグローバル企業13社が並ぶ。その下には東京2020オリンピック国内スポンサーがあり、ゴールドパートナー、オフィシャルパートナー、オフィシャルサポーターの3種類がある。