中国青年網はこのほど、中国全土の大学生864人を対象に、読書に関するアンケート調査を実施した。その結果によると、1日当たりの読書時間について、大学生の約5割が「30分未満」と答え、4割以上が「1ヶ月に1冊も読まない」と答えた。大学生に人気があるのは小説や名著、伝記などで、自分の読書の状況について、6割が「満足していない」と答えた。
約5割が「1日の読書30分未満」 4割以上が「1ヶ月に1冊も読まない」
調査では、1日当たりの読書時間について、大学生の46.3%が「30分未満」と答えた。「30分から1時間」は33.91%、「1時間以上」は19.79%だった。1ヶ月に読む本の数については、44.91%が「1冊未満」、43.17%が「1-3冊」、11.92%が「3冊以上」と答えた。
河北大学で歴史を専攻している趙世介さんは、「1週間に1冊は読む。もし、内容がよく理解できない場合は、もう一度読み直す。読書というのは、大学生の本業で、読む本もどんどん増えていく。歴史というのは、たくさんの文化的な基礎知識が必要な学科なため、本をたくさん読まないと、たくさんの知識を身に着けることはできない」と語る。
小説と名著、伝記が高い人気
調査では、回答者の82.64%が「読書が好き」と答えた。では、大学生はどんなジャンルの本が好きなのだろう?調査によると、大衆小説ジャンルが最も人気で、61.46%が選んでいた。以下、文学名著ジャンルが55.67%、人物伝記ジャンルが36.57%と続いた。
東北大学に通う李陽さんは、SF小説の熱狂的なファンで、劉慈欣の作品が特に好きだという。そんな李さんは、「劉慈欣のような作家になるのが夢」とし、「自分で小説を書いてみて初めて、書くことと読むことは全く違うということに気付いた。だから、たくさんの本を読んで、優秀な作家に学ぶようになった」と、自分で小説を書くために、たくさんの本を読んで引き出しを増やしていると語った。
江南大学に通う馬博喜さんは、歴史人物の伝記が好きな理由について、「『古きを以て鏡と為し、以て興替を見るべし。人を以て鏡と為し、以て得失を知るべし』という言葉がある。歴史人物の伝記を読むと歴史上の偉大な人物の重大な決断やエピソードを知ることができる。フィクションの小説や物語に比べると、実在した人物や実際にあった事を記している本のほうが、生きた例となって、自分と重ねやすい」と説明する。
流行を追うのではなく、本をしっかり選ぶこと
武漢軽工大学土木エンジニアリング・建築学院中国共産主義青年団委員会の書記を務める徐偉琦さんは、「大学生は、読書を知識を積み重ねるための手段とみなすべきで、すぐに何かを得られると思ったり、盲目的に流行を追いかけたりしてはならない。読書の效果というのは、長い時間かけて少しずつ出てくるものだ。大学生は読書をする時、質問を投げかけながら、じっくりとチェックするような視点で読み、さらに、権威に対して疑問を投げかける勇気を持ち、読書によって自分を困惑させている問題を解決し、読書のスキルをアップさせるようにしなければならない」とアドバイスしている。
華北理工大学中国共産主義青年団委員会の教師・劉瀟瀟さんは、「大学生は読書をする際、本をよく選ばなければならない。そして、選ぶ時には、ジャンルとタイトルをかしこく選ぶようにしなければならない。本を選ぶ時は、知識を習得したいのか、スキルを学びたいのか、精神的な面のアドバイスがほしいのか、自分の目標をまず明確にしておき、その目的に合わせて本のジャンルを選ばなければならない。そして、ジャンルが決まれば、タイトルや目次、作者、評価などを見て、どんな本を読むべきかを比較して決めるべきだ」とアドバイスしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年12月25日