中国科学技術情報研究所は北京市で19日、中国優秀論文産出報告書を発表した。報告書によると、中国の優秀論文の数が増加し、科学研究面における論文執筆の質が高まっている。中国の注目論文数と高被引用論文数は前年度より順位を1つ上げ、世界2位になった。科技日報が伝えた。
情報によると、同研究所は科学計量学の方法を採用し、世界の各分野で発表された同分野の平均水準を上回る論文と、国内各研究分野上位10%の論文を選出し、中国優秀科学技術論文データバンクを作った。
中国の2018年の優秀科学技術論文は前年比12.4%増の計31万5900編で、国際優秀論文は中国の国際論文総数の36.4%を占めた。うち臨床医学、化学、生物学、電子、通信・自動制御などの優秀論文数が最も多かった。上海交通大学、北京大学、浙江大学、清華大学は優秀論文数の多い機関で、清華大学の優秀論文はそのすべての論文のうち54%を占めた。
高被引用論文とは、過去10年間で累計被引用数が各分野の世界トップ1%に入った論文だ。中国の2009-19年の高被引用論文数は3万755編で、2008-18年より23.9%増え、世界の20.0%を占めた。
注目論文とは、過去2年間で発表され、過去2カ月間に大量に引用され、かつ被引用数が同分野のトップ1‰に入る論文を指す。往々にして最新の科学的発見及び研究方向を反映したものであり、科学研究の最先端を示すバロメータとされている。2019年9月現在の中国の注目論文数は1056編で、世界の32.6%を占めた。
また、中国は各分野で最大の影響力を持つ学術誌に掲載された論文数が世界2位、世界トップクラスの学術誌に掲載された論文数が世界4位、国際論文被引用数が世界2位で、これらの順位はいずれも不動だった。サイエンス誌、ネイチャー誌、セル誌は世界で最も学術的に権威のある科学雑誌で、2018年にはこの3誌で論文を計6641編掲載した。うち中国の論文数は429編で世界4位。首位は2588編の米国で、2位は英国、3位はドイツ。
注目すべきは、中国が材料科学と化学・工学技術論文の被引用数でともに世界一となり、後者が初めて世界一になったことだ。また、中国は農業科学、生物・生物化学、コンピュータ科学など9分野の論文の被引用数で世界2位になった。
報告書によると、国際共著論文が増加し続け、国際メガサイエンス協力に参加する論文が増加し、世界の当該分野トップに数えられる中国の科学技術誌が増加している。さらに、中国の優秀論文及び著者は「リーダー5000・中国優秀科学技術誌トップ学術論文プラットフォーム(F5000)」を通じ、世界へと進出している。F5000も多くの科学研究者から認められ、高いクオリティーを志向する代表的論文の新型評価ツールになっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年11月20日