香港特区政府統計処は18日、最新の労働人口統計データを発表した。季節調整後の失業率は、2019年7月―9月の2.9%から同年8月―10月は3.1%まで上昇し、不完全雇用率は0.2ポイント上昇した。中国新聞社が報じた。
統計データによると、失業者数(季節調整前)は、2019年7月―9月の12万300人から8月-10月は12万5400人と、約5100人増加した。同時期、不完全雇用者数は4万1500人から4万5900人と、約4400人増加した。
労工・福利局の羅致光局長は、「それより前の時期と比べ、ほとんど全ての業界で失業率はある程度上昇した。消費・観光関連業(小売・宿泊・飲食サービス業総計)の失業率はさらに上昇して5.0%に達し、2017年以降で最高記録を更新した。このうち、飲食サービス業従事者の失業率は6.1%と、この6年間の最高記録を更新。このほか、建築業(特にオフィスビルの内装・修理・メンテナンス業)の失業率も著しく悪化している」と指摘した。
中銀香港のチーフエコノミストを務める鄂志寰氏は、「労働力市場の変化は、香港経済が直面している内部と外部が織りなすダメージによるマイナス情勢を反映している。このところ、グローバル経済の低迷や中国・米国間の貿易摩擦が香港に深刻な影響を与えているという外的要因に加え、今年6月から生じている「逃亡犯条例」改正案に抗議するデモ活動が過激化して暴力行為が頻発していることが、香港経済に重大な打撃を及ぼしている。今年第3四半期(7-9月)の実質GDPは年換算で2.9%縮小し、雇用市場にもマイナス影響が及んでいる」との見方を示した。
鄂志寰氏は、「不景気が続くなか、小売業や飲食業、さらにはその他中小企業にまで、新たな倒産・リストラの波が押し寄せるとみられており、香港の失業率は、今後もややスピーディに上昇していく可能性が高い。グローバル経済の不確定性は、今後しばらく続くと予想されているだけでなく、香港のデモ活動もますます過激化しており、輸出入業が貿易問題でダメージを受けるだけではなく、社会の不安定な状態が続くことで、観光・ホテル・小売業も打撃を被ることになるだろう」と続けた。
羅致光局長も、「ますます暴力化が増している香港の社会情勢が続けば、経済に深刻なダメージがもたらされ、失業率もより大きなプレッシャーを受けることになる。特区政府は今後の経緯をとりわけ注視し続ける」としている。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年11月19日