中国の新たな外資の安定政策が近く発表される。中国政府がこのほど明らかにしたところによれば、今回の外資安定政策は4方面20措置からなり、外資系企業の中心的懸念に集中的に答えたものだという。中国新聞社が伝えた。
商務部(省)の王受文副部長(国際貿易交渉副代表)は29日、新措置の準備起草過程で、政府は外資系企業約500社を対象にアンケート調査を行い、外資系企業と多国籍企業の意見を幅広く聴取したほか、力を結集して専門的に中国米国商会と在中国欧州連合商工会議所が発表した投資報告書を検討し、提起された問題を掘り下げて検討した。
今回打ち出される20措置には具体的措置が50項目以上あり、外資系企業が提起した具体的問題に的を絞って答えている。
たとえば外資系企業は政府調達に公平に参加できることを求めており、新規定は企業が法律に基づいて政府調達に平等に参加することを明確に保障し、サプライヤーを所有制の形式、組織の形式、株式所有構造、投資家の出身国、製品やサービスのブランドなどによって制限してはならないとする。もし外資系企業が不平等な待遇を受けたと考えた場合は、法律に基づいて調達側に疑義を提起することができ、調達側は規定時間以内に回答しなかった場合、または質疑者がその回答に満足できなかった場合は、同レベルの財政当局に苦情を申し立てることもできる。
中国標準の制定に関与したいとする外資系企業の希望に対し、新規定は中国内外の企業が中国の標準化作業に公平に関与することを全面的に実施し、さらに進んで外資系企業が医療機器、食品・医薬品、情報化製品などの標準制定作業に関与するよう奨励し、産業の基準と技術規範の制定・修正作業がより科学的になり、透明性が向上しなくてはならないと明確にした。
さらに中国における投資家の利益の保護をめぐり、外資系企業から一部の地域や機関が行政文書や規範文書を制定する場合に、公布から実施までの時間が短く、企業には調整準備する十分な時間がないとの声が上がった。これに対し、新規定はこうした文書を制定する場合には実際の状況を踏まえて、公布から実施までの時間を合理的に決定し、企業に準備する時間を与え、政策の予見可能性と透明性を高めなければならないとした。
知的財産権の保護については、新措置は行政機関とそこで働く人々は行政許可、監督検査、行政強制などを通じて外国人投資家、外資系企業に技術移転を強制したり、形を変えた強制を行ってはならないと明確にした。王副部長は、「これまでの『行政手段を利用して技術移転を強制してはならない』という原則的規定に比べ、現在の要求はより具体的であり、貫徹実施しやすいといえる」との見方を示した。
外資系企業の中国での経営生産過程でこれからぶつかる可能性のある問題について、新規定は各地域が外資系企業向けの苦情処理機関を構築・整備し、処理のルールを改善し、処理のプロセスを規範化し、処理の効率を高めなければならないとした。
投資家の懸念を十分に調査研究・識別し、これに回答し、こうした基礎の上に権利保護メカニズムを打ち出し、規定を細分化したことから、中国が対外開放の深化に向けて「口ばかりで実行が伴わない」ということはなく、着実に行動していることが十分にうかがえる。
中国は世界の投資家の核心的要求に応じるとともに、今回は外資系企業の中国での経営を円滑にするための措置を多く打ち出した。
新規定に基づき、中国は外資系企業が外国債券(外債)をどのように借用するか自主的に選択することを支持し、各地方が中国にやって来る外国籍人材に対する年齢、学歴、職歴などでの制限を適宜緩和することを支持する。また中国にある外資系企業の投資生産経営をより便利にするため、外資プロジェクトの用地の審査認可プロセスを最適化し、立地の計画と用地の事前審査などを統合する必要があるとした。
対外開放の受益者として、中国は世界中の投資家を歓迎しており、この誠意は一貫して変わることがない。「外商投資法」の登場から、より簡略な外資参入ネガティブリストの実施まで、さらには「ビジネス環境最適化条例」の公布まで、一連の動きは中国がルール、標準、制度の最適化を絶えず推し進め、投資家によりよいサービスを提供していることを示すものだ。
中国の最新のビジネス環境世界ランキングは31位で昨年の46位から飛躍し、初めて世界ベスト40に入るとともに、第3四半期は外資導入額が増加を続けており、これまでの努力が効果を現し始めたことがわかる。中国の法律法規や政策環境の透明性、予見可能性が高まるのにともない、世界の投資家に対する中国の誘致力もさらに高まるものと予想される。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年10月30日