かつて、ある国の駐中国大使は中国の印象について、「中国には欧州とほぼ変わらぬ人口3億人ほどの都市があり、アフリカとほぼ変わらぬ人口8億人ほどの農村がある。つまり欧州にアフリカを足した国、それが中国だ」と語ったことがある。確かに中国はその国情に立脚した創造的な「社会主義初期段階論」を打ちたてることで、基本的な国情をしっかりと把握し、実情に最大限しっかり立脚し、共産党の初期段階における基本路線を党と国の生命線、人々の幸福への道とすることを強調してきた。
1949年から2018年まで、中国人の1人あたりの平均可処分所得は59.2倍まで増え、1人あたりの平均余命は35歳から77歳まで延び、人々の暮らしには天地を覆すような変化が生じ、「人民至上」の価値と理念のために、生き生きとして思いやりに溢れた注釈が加えられてきた。新中国の発展が独自の特色ある「中国の道」を切り拓いたとするならば、70年間にわたる一貫した発展の目標と改善され続けた民生は世界に対して、よりはっきりと「中国の価値」を示したと言え、これはまた社会主義の価値でもあると言えよう。
70年間にわたり、中国の特色ある社会主義による国家制度は、党の指導者の優位性と人々の自主性における優位性、全面的に法に依ったガバナンスの優位性、民生集中制の実施による優位性を堅持し保証するとともに、その強大な生命力と大いなる優位性を示してきた。
2019年8月、深センに建設される中国の特色ある社会主義先行モデル地区を支持するニュースが人々の注目を集めた。かつての特区は現在モデル地区となっており、深センの発展の変遷はまさに中国の奇跡における一つの縮図と言える。中国のような大国が現代化を実現させた先例はこれまでになく、必ずや新たな道、中国自身の道を歩まなければならなかった。中国の奇跡を読み解くには、中国の道を読み解く必要があり、中国が把握する人類社会発展の法則を読み解く必要がある。
百年ほど昔、中国の立ち遅れは道具、制度、観念の3つの面における立ち遅れにあると述べた人物がいた。現在、世界の工場から世界の市場へ、そして世界のプラットフォームへと中国の発展はますます大きな「拡散効果」を放つようになっている。そして中国の発展を支える中国の理念は、人類の発展の原動力を掘り起こすものとして大いなる期待が寄せられている。現在、中国共産党の三つの大きな法則(共産党執政の法則、社会主義建設の法則、人類社会発展の法則)に対する認識と把握、運用はすでに新たな境地へとその歩みを進めている。米国人学者がまとめた書籍「習近平復興中国(XiJinping’s China Renaissance)」の中で、習近平総書記は中国における執政党ガバナンス、国家ガバナンス、グローバル・ガバナンスという三大ガバナンスを今まさに指導しているとしている。