彼は末端の試掘井の職を得て、日々、圧力を測定するために作業員と一緒にウインチ(巻き上げ機)に乗り地下に降りた。そして彼は、当時の海外における理論と国内の実情が全く合致していない状況を目にし、根本的な改革を行わなければ発展は望めないと考えた。
100日以上に及ぶ探究の末、王徳民氏はついに、大慶油田の実情に見合う油井圧力の計算公式「松遼法」を導き出すことに成功した。この計算公式は、計算が簡単なもののその精度は高く、視察に来た外国人専門家から高く評価された。
1963年、周恩来総理(当時)は、「中国は今後、石油を基本的に自給自足する」と宣言。それを聞いた王徳民氏は、その場で感激の涙を流した。これまでの苦労や疲れ、個人的な屈辱は一度に吹き飛んでいった。
その後、王徳民氏は度重なる記録を更新を達成。1970年初め、400日余りにわたる1千回以上の実験を経て、20件以上の科学研究成果を得たほか、1986年には、相前後して任命され、実践による大慶油田の新たなブレイクスルーを実現した。それにより1996年だけでも500~600万トンの生産量を増やした。
優秀な学生から基層の作業員を経て研究者となるまで、王徳民氏が一貫して変わらず抱き続けたものは、決して諦めることなく、投げ出さない力と自分を鼓舞し続けた愛国心だった。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月13日