職場で何もしていなくても疲れる?その真相に迫る (2)

人民網日本語版 2019年06月11日14:46

◆意志のコントロールもエネルギーを消耗

私たちは感情をコントロールするため多くのエネルギーを用いるだけでなく、意志もコントロールしなければならない。

撮影、心理学、ゲームなど自分がやりたいことをやれば、飲まず食わずで10数時間続けても疲れることはないだろう。一方で、会社で8時間働くと、力を使い果たしたと感じがちだ。この差はどこにあるのだろうか。自分がやりたいことであればそれに専念できるが、やりたくないことであれば自分の意志をコントロールするのにエネルギーを消耗してしまうからだ。

米ケース・ウェスタン・リザーブ大学の心理学者であるロイ・バウマイスター氏は自己コントロールの研究に基づき、自己消耗理論を打ち立てた。この理論によると、意志をコントロールしたり、行為を選択したり、方針を決定したりする際には心理的なエネルギーを消耗するが、これには限りがあるという。短期間内であれば自己コントロールを行える回数は限定的で、コントロールが必要な行為が増えるほど消耗するエネルギーも増える。頭脳労働、感情労働、意志のコントロールはエネルギーを必要とし、その回復には時間がかかる。それは運動後に休憩し体力を回復するようなものだ。

勤務中に意志をコントロールすることによって生じる心身の疲れというものは非常によく見られることだ。例えば仕事に意義がないと感じれば、些細なことをしただけでも疲れを覚える。心の葛藤があり、反感を抱きながら自分を説得する必要があるからだ。この相矛盾する意志のコントロールがエネルギーを消耗する。または仕事中に別のことを考えているような場合もしかりだ。勤務中に配偶者や両親、子供との関係をいかに処理するかを考え、複数の任務を同時に行うと、エネルギーが消費される。

◆慢性ストレスで心身共に疲れる

長期的な慢性ストレスもまた心身が疲れる原因の一つだ。

ストレスは次の2種に分かれる。まずは急性ストレスで、明日中にプランを提出せよと急に言われるなどの突発的な状況だ。もう一つは慢性ストレスで、今月のノルマが厳しくて達成が困難といった長期的に存在するストレスだ。急性ストレスの場合ストレスが解消されると体がすぐに回復するが、慢性ストレスは茹でガエルの状態で、体を持続的に緊張状態に置き、常に解消されず残っている。

慢性ストレスは会社員の心身のコンディションを脅かす。例えば毎日目覚めた時に、ノルマを達成できなかったらどうしよう、仕事が上手くいかなかったり、リストラされたらどうしようなどと心配することがあった場合、これらのストレスにより私たちは本能的に「戦うか逃げるか」という緊張状態に置かれる。危険に対処するため体がストレスホルモンを分泌する。ストレスが解消されれば、体はすぐに休憩と充電を必要とする。通常は回復に24−48時間かかる。ストレスが長期的に存在すれば倦怠期に入り、体がだるく、免疫力が低下するといった慢性疲労症候群が生じる。

最後に、会社員に疲労解消の最も効果的な方法を勧めたい。それは瞑想だ。心理学の研究によると、瞑想は感情を上手に処理し、集中力を鍛えストレスを解消できる。瞑想により脳のエンドルフィンの分泌が活発になり、心の喜びと安らぎをもたらし、体もよりリラックスできる。そのため仕事に疲れた時は手を休め、数分間瞑想してはどうだろうか。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年6月11日

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