中国第35回南極科学観測隊が来月2日、極地観測船「雪竜号」に乗り南極に向かうことが28日、関係機関への取材で分かった。今回の観測の重要任務の一つとして、南極「中山基地」から28キロ離れた氷床に、中国初の南極永久空港を建設することだ。科技日報が伝えた。
業界関係者は、その難易度は観測基地の建設を下回らないと判断した。
まずは位置が特殊で、候補地は氷床に位置する。氷床は南極大陸にかぶさる「布団」のようなものだが、それは動いている。永久空港を建設するためには、まず氷床運動が比較的均一で、運動の幅が小さい場所を選ばなければならない。この問題を解消するため、中国は一年前から候補地で、一年間に渡る氷床流動観測を行った。
次に、氷床を覆う厚さ数十メートルの柔らかい雪の上では、離着陸を行うことができないため、この雪を「改造」する必要がある。改造の大まかな流れはこうだ。まずスコップとスノーブロワーを使い雪を大まかに処理し、それから圧雪車でプレスしてからソリを使い、雪を摩擦力の大きなざらついた表面にする。これを繰り返す難しさは、想像に難くない。
国内の空港と比べると、この建設予定の空港は大規模とは言えない。しかしそのナビゲーション、通信システム、気象保障システムなどをめぐり、厳しい条件が突きつけられる。気象保障問題を解消するため、中国は3年前に候補地に自動気象観測基地を設置し、気象関連情報を蓄積していた。
新空港の建設は、中国初の極地用固定翼機「雪鷹601」が南極の空の母港を持つことを意味する。また中国が南極空港の運行体制を把握し、南極航空ネットワークシステムを構築し、未来の中国大型機及び各種航空機を運用するためサポートすることになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年10月29日
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