中国の李克強総理は5日午前、特別機でブルガリアの首都ソフィアへ向かった。新指導部発足後初の総理による欧州訪問だ。中国新聞網が伝えた。
李総理はブルガリアを公式訪問し、ソフィアで開かれる第7回中国―中・東欧諸国首脳会議に出席するほか、ドイツを公式訪問し、第5回中独政府間協議を行う。
新指導部による欧州での重要な外交活動であり、中国とブルガリア、中国とドイツ、中国と中・東欧諸国との関係の良好な発展基調を保ち、「16プラス1協力」を深めるうえで重要な意義を持つ。
最初の訪問国はブルガリアだ。アジア大陸とヨーロッパ大陸の合流地に位置するブルガリアはEU加盟国で、中・東欧地域の重要な国であり、世界で最も早く新中国と国交を樹立した国の1つでもある。中国総理によるブルガリア訪問は18年ぶりだ。
今回の訪問は両国が協力をさらに計画する重要な契機になると専門家は指摘する。「特に農業、交通、装備製造、観光サービス業分野が協力の重点となる」と、中国社会科学院欧州研究所中東欧研究室の劉作奎室長は語る。
その後、李総理はブルガリアで第7回中国―中・東欧諸国首脳会議に出席する。「16プラス1協力」は中国と中・東欧16カ国が共に築いた地域を跨ぐ協力プラットフォームであり、今年第2の5年間に入る。各国は「開放・実務協力を深め、繁栄と発展を共に促進し、享受する」をテーマとする会議で、今後の協力の発展の方向性を共に検討する。
「次の5年間に入るにあたり、今回の会議は『16プラス1』の今後の協力を深めるうえで鍵となる役割を果たす」と、中国国際問題研究院の阮宗沢常務副院長は指摘する。
続いて、李総理は「ドイツの時」に入る。中国にとってドイツは一貫して欧州における最も重要な貿易・投資・技術協力パートナーだ。2014年に包括的・戦略的パートナーシップを構築して以来、中独関係は常に高水準の発展基調を保ち、両国上層部は緊密に交流してきた。
李総理の訪独は4回目となる。ドイツのメルケル首相は今年5月、11回目の訪中を終えた。「中独首相が2カ月足らずの間に相互訪問を実現させたことは、中独関係発展の水準の高さと、双方が互いを重視していることの表れだ」と、中国人民大学EU研究センターの王義桅センター長は語る。
李総理はシュタインマイヤー大統領、メルケル首相と会談し、政府間協議の共同議長を務め、中独の実務協力、イノベーション協力の推進、中国EU関係に対する中独協力の積極的牽引作用の発揮、自由貿易と多国間主義の共同維持、世界と地域の重大な紛争問題に対する意思疎通と調整の強化などについて踏み込んだ意見交換をするという。両国首相は中独経済・技術協力フォーラム、中独自動車自動運転展示イベントに出席するほか、一連の協力文書の調印に立ち会う。
「現在発表されている内容から見て、中独双方は今回の訪問によって従来の協力分野を確固たるものにし、さらに多くの新たな協力分野を開拓する」。阮氏は、特に自動車自動運転分野の協力が大きなハイライトとなり、両国が新たな協力空間を開拓していることが示されると考える。
「李総理の今回の訪問は中独実務協力の良い基調を継続させ、協力の強化によって保護貿易主義反対のメッセージを対外的に発する」と王氏は指摘する。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年7月6日
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