最新のデータによると、今年第1四半期には、中国映画市場の興行収入が202億1700万元(1元は約17.3円)に達し、米国の28億9千万ドル(人民元に換算すると約183億元。1ドルは約110.3円)を抜いて初めて世界一になった。「経済日報」が伝えた。
業界関係者は、「中国映画市場はここ数年、飛躍的なペースで発展を続けている。これは映画を見たいと思う観客の熱意の高まりのおかげであり、関連政策の誘導や法的保障にも支えられている。映画産業のシステムも改善を続けている。大型高性能スクリーンDMAX、高度レーザー発光式ディスプレイALPDなど中国独自開発の科学技術革新(イノベーション)が幅広く応用されるようになり、立体音響システムSMDS、スクリーン設備メーカー・蕪湖影星巨幕有限公司のスクリーンなどが、映画産業の急速発展に技術面で力強い保障を与えた」と指摘する。
だが映画館産業の好調さの背後には一連の潜在的リスクもある。たとえばスクリーン数が激増して、多くの映画館は経営状況が楽観できなくなっている。データをみると、2017年にはスクリーン数が前年比21%増加したが、観客数は18%しか増えておらず、興行収入の増加ペースがスクリーン数の増加ペースに追いついていない。北京華誼兄弟環球影院管理有限公司本社の唐楽マネージャー(上映スケジュール担当)は、「関連データの増加率は予想の数値に達していない。つまり多くの映画館は着席率が低く、スクリーン数の観客クラスターに対する牽引力が低下しているのだ。興行収入を伸ばそうとして無計画にスクリーン数を増やしてはならない。合理的に計画を立てなければならない。将来の映画館建設ではソフトの水準向上に重点を置き、さらにはサービスの質を向上させることが必要だ」と述べる。
業界関係者は、「中国映画市場は映画館チェーン以外の鑑賞チャンネルを開拓する必要がある」と指摘。工業・情報化部が発表した2017年上半期の通信産業経営データによれば、中国では現在、携帯電話でインターネットに接続するユーザーが11億人を超える。専門家は、「携帯を含むモバイル端末を映画上映の『スクリーン』にすることができたなら、中国映画市場は幾何級数的に成長するだろう」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年5月16日
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