かつて販売店の相次ぐ閉店を余儀なくされ、不調だった米国のファッションブランド「コーチ」は、一連のモデル転換によって逆襲を果たし、業績が2けたの伸びを達成した。親会社である米国のカジュアルぜいたく品企業グループ・タペストリーがこのほど発表した2018年3月31日までの第3四半期決算によると、コーチの持続的な伸びとファッションブランド「ケイト・スペード」の買収による効果で、同期の売上高は前年同期比33%増加と好調だった。「北京晨報」が伝えた。
元々コーチという社名だった親会社は、ブランド「スチュアート・ウィツマン」とケイト・スペードを買収した後の昨年末、タペストリーに社名を変更した。ここから皮革製品メーカーから脱却して、複数のブランドを抱えたカジュアルぜいたく品グループへの転身をはかろうとする野心がうかがえる。タペストリーは買収取引の完了後、販売促進活動を抑え気味にし、新しいクリエイティブディレクターを招くなどして売り上げを喚起する作戦に出た。そして新たに買収したケイト・スペードが成長への大きな潜在力をうかがわせるようになった。同期の決算では、コーチの売上高は9億6900万ドル(1ドルは約109.0円)、ケイト・スペードは2億6900万ドルだった。
コーチは数年にわたり業績低迷にあえいだ後、2014年にモデル転換を宣言し、ブランドの位置づけを「手の届くぜいたく品」から「高級ライフスタイルブランド」に改め、製品、販売店、営業販売の改良を通じてモデル転換を果たし、ケイト・スペードを買収して複数ブランドによる発展を実現した。
コーチのケイト・スペード買収からわずか2ヶ月ほどのタイミングで、ライバルのマイケル・コースグループも英国の高級靴ブランド「ジミー・チュウ」を12億ドルで買収すると発表し、グローバルブランドグループへのモデル転換の方針を明らかにした。マイケル・コースの17年12月31日までの第3四半期決算では、グループの売上高は同6.5%増加して14億4千万ドルに達し、このうちジミー・チュウの寄与が1億1470万ドルだった。
注目されるのは、中国を含むアジア市場がカジュアルぜいたく品ブランドの力を入れる重点エリアになったことだ。18年第3四半期のマイケル・コースのアジア市場売上高は同42.5%増加して1億6千万ドルに達し、アジアは同グループにとって売り上げの増加幅が最も大きな地域になった。
アナリストは、「大規模な店舗拡張モデルではもはやカジュアルぜいたく品ブランドの持続的成長に対応することはできなくなり、他ブランドの買収や製品種類の充実が取り組みの重点になった」と指摘する。別のアナリストは、「複数ブランド経営のメリットを実感したタペストリーは、これからまた新たな買収取引を行う可能性がある」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年5月4日
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