全国政協委員、中国航天科技集団第五研究院党委書記の趙小津氏はこのほど、「中国は年内に嫦娥4号月探査任務を実施する。探査機は人類初の月の裏側への軟着陸を実現し、さらに着陸エリアと周辺エリアに移動し探査を進める」とした。科技日報が伝えた。
全国政協委員、中国科学院国家宇宙科学センター研究員の呉季氏は2日、「我々は嫦娥4号任務の中継衛星に小型衛星を2基搭載し、電波干渉実験を行い、宇宙の『暗黒時代』を観測する」と述べた。
嫦娥4号の任務は、2回の打ち上げに分かれる。趙氏によると、中国は上半期にまずラグランジュ点(L2点)に中継衛星を打ち上げる。中継衛星は嫦娥4号の任務を実施するための前提条件であり、任務全体の成功と失敗を左右する。
◆嫦娥4号は夜も作業、「玉兎」の悲劇を回避へ
中継衛星の軌道上での試験が完了後、中国は今年下半期に嫦娥4号を打ち上げ、月の南極付近にあるエイトケン盆地に着陸させる。
嫦娥4号は嫦娥3号の予備機だった。しかし趙氏によると、嫦娥4号の着陸方法や作業状態は嫦娥3号と大きく異なり、性能も大幅に向上しているという。
嫦娥3号が月に運んだ月面ローバー「玉兎」に、2014年1月に異常が生じた。故障は完全に修復されず、多くのネットユーザーが心を痛めた。この経験から科学研究チームは嫦娥4号のローバーの改良に取り組み、信頼性を高めた。趙氏は、「今回は同様の問題が生じないはずだ」と述べた。
嫦娥3号の任務と比べ、嫦娥4号はより深いレベルで全面的に月の地質や資源などの情報を調べ、月に関する資料をより完全にすることを目指す。宇宙事業専門家の厖之浩氏は、月の裏側の特定エリアの詳細な調査は極めて重要と判断している。月の裏側への理解を深めることで、月の成り立ちと変化、月の地質や資源状況の調査などに重要な力を発揮することができる。また月の裏側は地球の無線電波の干渉を受けないため、科学研究基地を建設する理想的な聖地になるとしている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年3月14日
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