曹一作成(提供・人民日報)
中国では最近、海外からのゴミ輸入を厳しく取り締まり、注目を集めている。欧米の一部メディアは、自国の収入と雇用に大きな影響が及ぶと報じた。しかし中国の民衆と政府は、これを支持している。
中国海関(税関)総署は今年、「国門利剣2017」合同特別プロジェクト行動を展開し、工業廃棄物、電子廃棄物、生活ゴミ、プラスチックゴミなどの密輸撲滅を中心内容とした。全国税関密輸取締部門は1-6月にかけて、固形廃棄物刑事案件146件を処理し、26万トン以上の廃棄物が確認された。
中国政府は7月、年末までプラスチックゴミ、分類されていない古紙、紡績原料の廃棄物、バナジウム・スラグなど24種の固形廃棄物の輸入を禁止し、同時に世界貿易機関にこの決定を報告した。米メディアは緊張感を強め、「中国は2016年に米国から、価値にして56億ドル(1ドルは約113.9円)の廃棄金属製品、19億ドルの古紙(計1320万トン)、4億9500億ドルのプラスチックゴミ(142万トン)を輸入した。中国へのゴミ輸出に関わる雇用枠は15万5000人分。欧州と日本も、プラスチックゴミと古紙の主な対中輸出国になっている」と報じた。
人民日報はこれに先立ち、記事の中で、「中国はゴミ輸入に対し断固としてノーと言うべきだ。これは国の生態環境安全、国民の健康の権利を守る決意をはっきりと示している」と指摘した。清華大学環境学院の劉建国教授は、「ゴミ輸入禁止は、供給側構造改革の内容でもある。原材料の品質管理、産業水準の向上により、時代遅れの生産能力、過剰生産能力、ローエンド業態を淘汰する。これは国内の再生資源加工利用業界にとっても、重大なチャンスだ」と述べた。
環境保護問題への重視が中国で高まっており、政府と人々の共通認識も高まっている。中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告では、「生態文明体制改革を加速させ、美しい中国を建設する」と強調された。また政府を中心となり、企業を主体とし、民間組織と一般大衆が共同参画する環境ガバナンス体系を構築すると明らかにした。(人民日報記者 黄発紅 孫秀艶)(編集YF)
「人民網日本語版」2017年10月25日
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