だがもしも「心を読みとる技術」を備えた商品棚があれば、経験に基づく単純な判断もビッグデータと結合させることができる。デジタル化された展示台を使用すれば、陳列棚のカメラ、感応式商品棚、バックアップコンピューターを通じて、消費者の年齢と性別を予測し、棚とブランドの前で消費者が立ち止まった時間やさわったサンプルの種類やその時間のデータを収集し、データに基づいて商品を購入する可能性のある人の数を分析することができ、さらには顔部分の識別システムを利用して消費者の感情を分析し、消費の可能性があるかどうかを判断することができる。
展示台の前でみていると、台の後ろでは棚の一定の場所から一定の場所の間を通り過ぎる人の流れをリアルタイムで分析し、感情をリアルタイムで読みとり、喜び、驚き、ためらい、失望などの感情を逐一解析し、リアルタイムの活動に結びつけることができる。さらには商品のどの部分が消費者の心を揺さぶったのかがわかり、店舗の今後の方針決定の参考にすることができる。
▽バーチャルをリアルに
淘宝(タオバオ)のバーチャルリアリティ(仮想現実、VR)ショッピングチャンネルbuy+、eBayが打ち出したVR百貨店、京東もこのほどVRと拡張現実(AR)の戦場に身を投じることを明らかにした。……通販企業はVRが消費の新たな動力になることを願い、実店舗もこれに負けてはいない。有名免税店運営企業のサンライズ免税店はこのほど、VRショッピングと実際の店舗とが連動したテストモデルをスタートさせた。
上海の国際観光レジャーエリアの趣味人VRスマート科学技術体験館では、VR技術に基づいたゲームの応用シーンが広がるだけでなく、その場にいながら空港の免税店で買い物を楽しむことができる。VRのヘルメットをかぶり、コントロールバーを握れば、上海浦東国際空港の出国フロアの免税店にそっくりで、化粧品、スキンケア製品、アルコール類、食品類を集めた店舗が目の前に広がり、進むペースや方向を手でコントロールし、右手では1つ1つ忠実に再現された棚の前に行ってほしい商品を直接手にし、拡大して商品の内容や説明、ブランドヒストリー、価格、在庫など一連の情報をチェックい、満足すれば買い物かごに放り込むことができる。
中国科学院自動化研究所科学芸術センターの張之益センター長は、「VR技術は消費者に、現実に忠実で現実を遙かに超えたサイバー空間を提供し、創造される未来の可能性は非常に大きいといえる。ますます多くの新技術が応用期に入るのに伴い。こうした技術と消費がどのような火花を散らすか、私たちの贈り物の習慣をどのように変えるか、新たな消費を生み出すかどうか、いずれも注目に値する点ばかりだ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年12月8日
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