中国の配車サービス大手の滴滴出行はこのほど、2016年度「残業が最も過酷な会社ランキング」を発表。IT系企業のうち、ECモール大手・京東が退社時間が最も遅い、週末の休日出勤が最も多い、午前0-5時に会社に戻るケースが最も多い、毎月の残業日数が最も多いなど、多数のランキングで1位を独占した。
平日の退社時間が最もおそい会社ランキングトップの京東の平均退社時間は午後11時16分。以下、騰訊(盈科)、58赶集、騰訊(西格瑪)、奇虎360、滴滴出行、優酷土豆、搜狐、愛奇芸、新美大、新浪、百度と続き、いずれも午後8時以降だった。
また、毎月の残業日数が最も多い会社ランキングでも、トップは京東で、20日だった。滴滴出行、58赶集、新美大なども、残業日数は7日以上で、過酷な勤務状況に悩まされる従業員の姿がうかがえる。
多くのIT系企業において、残業はもはやたまに行う会社への貢献ではなく、常態化し、一種の企業文化となっている。
今年10月、ネット医療診断問診サービスを運営する・春雨医生の創業者及び最高経営責任者(CEO)だった張鋭氏が、心臓発作で急死したことは、IT業界に大きな波紋を呼び、多くの従業者の反省を促した。少しでも早く裕福になるために、長時間の残業もいとわないというのが一種のライフスタイルとなっているIT業界にとっては、この出来事は警鐘となった。
中国の「労働法」は、労働者の労働時間は一日当たり8時間を超えてはならず、1週間の平均労働時間は44時間を超えてはならないと規定している。また、特別な理由で残業する必要がある場合でも、その時間は1日3 時間、1ヶ月36 時間を超えてはならないと規定されている。
IT企業は現在、「城」のような状態で、外の人はそこへ入ろうと努力し、中の人は外に出たいと感じているのがその現状だ。多くの人はIT企業の輝かしい一面や高待遇だけに注目しているが、その背後で、多くの若者がどれほどの時間を捧げ、努力しているかということについてほとんど知らない。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年12月8日
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