「一つ場所の事を書くとすれば、そこに3日ほど滞在してから書くか、そこで30年過ごしてから書くかのどちらかだ」という言葉もある。この言葉にも一理あり、知らない場所で3日過ごす程度なら、どんなものでも目新しく、慣れないことが少しぐらいあっても、それを上回るおもしろい発見がたくさんあるものだ。それに対して、30年もいると、楽しいこともあればつらいことたくさんあり、いろんな思いが交錯して身にしみるほど深く感じつつも、それを表現するのが難しいこともある。(文:伍国 米国ニューヨーク州立大学歴史学博士、アレゲニー大学歴史学部の助教授。斉鲁晩報掲載)
2016年の夏、私は日本に3日だけ滞在した。成田空港から出て、成田エクスプレスに乗った。その時はちょうど夕暮れで、発車してしばらくも経たないうちに信号待ちで停止してしまい、とても驚いた。なぜなら、信号停止は中国の旧式の列車にしかないとずっと思っていたからだ。かなり待たされてから、別の列車が隣の車線をすごいスピードで通り過ぎ、私の乗っていた電車もまた動き始めた。その後、東京駅で地下鉄に乗り換え、ネットで予約しておいたホテルに着いた。
ホテルの受付のスタッフは、その後日本で出会った全てのサービス業のスタッフと同じく、非常に友好的で謙虚だった。小さなホールを出入りする時に、目が合うと、スタッフは毎回会釈し、歓迎の気持ちを示してくれた。このような歓迎は、米国、中国、韓国では見られない。外は暗くなり、私は外で食事をした。日本語はほとんど話せないため、英語で店員と交流した。店員はとても親切で、すぐに私が外国人と分かってくれた。彼女は何かを説明してくれていたものの、私が分からないことを悟ると、笑顔で携帯を取り、英語で「no receipt」と打ってくれた。私はすぐに「心配いらないよ。領収書はいらない」と伝えた。「日本人は英語が下手」とよく言うが、私は、突然の状況下で、「no receipt」と打てるだけで十分だと思う。
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