中国における二次元コード決済がこのほど、正式に政府監督管理部門からの認可を得ることとなった。中国支払清算協会はこのほど、決済機関に向け「二次元コード決済業務規範(意見請求稿)」を発表した。請求稿では、決済機関がバーコード業務を取り扱う上で遵守すべき安全基準について、明確に定められている。中国人民銀行(中央銀行)が二次元コード決済を停止するよう通達を出した2014年以降、今回初めて、政府が正式に二次元コード決済を認可することとなった。北京青年報が伝えた。
中央銀行は2014年3月、アリババグループのオンライン決済部門アリペイ(支付宝)と騰訊控股(テンセント・ホールディングス) に書簡を送り、各社が発行しているバーチャクレジットカード(オンライン決済専用クレジットカード)による決済処理を停止するよう通達した。同時に、二次元コード決済サービスも停止するよう求めた。中央銀行が当時出した書簡では、「オフライン二次元コード決済は、従来の決済端末による業務方式を打破する方法であり、それに伴うリスクのレベルは、顧客情報と資金の安全と直接関わってくる」と指摘されている。二次元コードを決済分野に運用する関連技術や端末の安全技術は、現時点でまだ明確ではない。オンライン決済時の認証方式をめぐる安全性には、今もなお疑問が残り、決済業務に隠れたリスクが存在することは否定できない。
中央銀行は当時、二次元コード決済を停止するという立場を明らかにしたものの、二次元コード決済が本当に鳴りを潜めてしまった訳ではない。2014年末、技術面での改善によって、一部銀行と第三者決済機関は、二次元コード決済の研究に取り組み始めた。アリペイと微信決済(WeChat Payment)がここ数年普及するにつれ、二次元コードは国民に広く受け入れられるようになった。今では、街頭で果物を売る屋台でも、二次元コード決済ができるようになった。
二次元コード決済市場が日ごとに成熟するにつれ、監督管理部門も立ち遅れた点を放置している訳にはいかなくなった。中央銀行決算司は7月26日、中国支付清算協会と中国銀聯に文書を送り、バーコード決済に対する監督管理の原則と要求について告知した。
同文書によると、オフラインバーコード決済は、参入条件が厳しくない、便利でスピーディなどの特徴を備えており、従来のPOSシステムによる決済業務のコストに敏感な小規模小売店にとって、日常的な少額取引に利用する上で極めて便利であり、従来のオフライン銀行カード決済取引を効果的に補うことができる。このため、消費者の個人情報と資金の安全を確保するために、バーコード決済業務を実際に行う上では、商業銀行であれ支払機関であれ、銀行口座アカウントであれ支払アカウントであれ、取引認証安全ランクや統一的に定められた取引限度額に依拠して、リスクコントロールと安全管理を実施しなければならない。
中央銀行は、中国支払清算協会に対し、事前準備作業をベースに、条件に基づき、銀行カード決済機関、主要商業銀行、決済機関と共同で、バーコード決済業技術基準・業務規範を制定・発表するよう求めている。また、個人信用情報の保護、資金の安全、暗号化措置、微妙な情報の保管など各項目をめぐり、明確な要求を打ち出した。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年8月4日
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