中国米国商会がプライベート・エクイティ・ファンドのベインキャピタルと共同でまとめた「商務環境調査報告」によると、調査に答えた外資系企業約500社のうち、約40%が15年の收入が前年に比べて「減少」、もしくは「横ばい」と答えた。また、同年黒字だった企業の割合は64%まで減少し、ここ5年で最低となった。
変化に適応して新たな商機に備える外資系
一部の外資系企業の中国での業績が振るわない背景には、中国国内外の経済の下振れ圧力が大きくなっていることに加えて、中国の人件費の高騰、市場浸透度の上昇、競争の激化などがある。近年、マイクロソフトやダイムラーなどの外資系企業が中国で独占法に違反していないかの捜査を受けたり、グラクソ・スミスクラインやエンファミルなどの外資系企業が商業賄賂があったとして処罰を受けたりしていることは注目に値し、外資系企業の中国における経営に警鐘を鳴らしている。
専門家は、「中国において、外資系企業に対する優遇政策がますます減っていき、市場の競争が正常化され、『儲からなくなった』というのは、中国経済が新常態に入り、外資系企業が新たな局面に立っていることを示しているほか、中国経済が成熟していることの証でもある」と分析している。
それでも、外資系企業は中国での投資を好み、自身を変革することで新たな商機を得たいと考えている。
今年5月、フォルクスワーゲンは総額195億元(約3022億円)を投じて、天津開発区で拠点の建設を始めた。ドイツ・フォルクスワーゲングループの管理理事会のメンバーで、中国部門の総裁兼最高経営責任者(CEO)であるヨヘム・ハインツマン氏は、「これほど大規模の投資をするのは、中国の自動車市場に対して自信があるから。中国に一層根付いていくために、当社グループは今年、中国で同額約40億ユーロ(約4520億円)を投じ、この先数年も同規模の投資を続ける」との見方を示した。
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