「2人っ子政策」の実施に伴い、中国各地の精子バンクでは、「深刻な供給不足」「精子1個さえも手に入りにくい」といった状況に陥っていることがメディアによって次々と報道されている。「精子バンク」は、本当に「在庫不足」に陥っているのだろうか?記者は7月30日、湖南中信湘雅生殖・遺伝専門病院の精子バンクを取材した。中国新聞網が伝えた。
1981年に創設された中信湘雅生殖人類精子バンクは、中国初の凍結精子を保存する精子バンクで、今のところ、国内最大規模・最高の技術レベルを誇り、中国生殖プロジェクト創始者のひとりであり「試験管ベビーの母」と称される盧光琇氏によって創立された。
湖南中信湘雅生殖・遺伝病院の院長を務める盧光琇氏は、「2人っ子政策の実施によって、精子バンクの供給ニーズはある程度高まった。だが、一部の人々が想像するほど爆発的に増加している訳ではない。同政策の影響を受け、病院では昨年、体外受精の実施回数が約20%増加したが、これが精子バンクの在庫状況に直接影響を及ぼすことはなかった」と指摘した。
盧氏は「精子バンクはもともと、妊娠が不可能な患者に精子を提供するサービスであり、『2人目の出産』を考えている夫婦の多くは、このような問題を抱えてはいない。ただ、政策の開放に伴い、精子バンクは絶えずメディア報道で取り上げられ、次第に人々に知られるようになり、そのサービスを求める人が増えた。湖南省の人類精子バンクについていえば、36年間で蓄積された在庫は14万あまりに達した」と話す。
また、いわゆる「深刻な供給不足」と言われる現象については、精子バンクはこれまでずっと、「供給が需要に追いつかない」状況だったことが挙げられる。精子ドナーの数が少なく、基準を満たすドナーの割合が低い、また精子の提供を希望する患者の数が多い、などがその主な原因だという。
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