同専門病院の範立青・常務副院長は、「中国人の心には、伝統的な観念が深く根付いており、多くの人は、精子の提供は『道理に反する』『みっともない』ことだと考えている。調査によると、中国の大学に通う大学生のうち、精子を提供する条件を満たす男性は5分の一にも達していない。また、そのうち、自ら提供する意思を持つ人は半分にも満たない」と話した。
精子のクオリティが年々低下している状況も、中国の精子バンク在庫にとって「危機」である。精子ドナーの数は年々増加しているものの、基準に達する「合格率」は年々低下しているのが現状だ。湖南人類精子バンクの統計データによると、2006年には平均45.9%だった精子ドナーの合格率が、2015年には17.9%にまで落ち込んだ。
盧光琇氏は、「現在の若者は、夜更かしする人が多く、キャンパス内では性はかなり開放的で、生活習慣は好ましい物とは言えない。このような状況から、精子のクオリティは簡単に低下する。精子の活力に対する中国の精子バンクの基準はこれまでずっと、非常に高く、正常な人の約4倍で、かつ、精子の使用回数に対するコントロールが過酷とも言えるほどのものとなっている」と指摘した。
需要は増加の一途をたどっているが、それに対応して供給も増えている訳ではなく、質の高い精子の在庫は減少傾向にある。「精子提供も献血も、自分の細胞を提供する点では変わりはなく、人道主義の立場にたった寄贈行為である。大学生の視野がさらに広がり、心がより開放され、条件を満たすより多くの青年が、精子バンクに精子を提供してくれるよう、切に望んでいる」と盧光琇氏は述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年8月2日
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