人民網日本語版は、中国の新聞報道を翻訳した記事を理解する上での手助けとなるため、「中国時事用語集(中日対訳)」を開設しました。「中国時事用語集(中日対訳)」には中国の新聞報道に使用される政治・経済・社会・文化・法律などの用語を幅広く収録し、定期的に更新する予定です。読者の皆様のお役に立てれば幸いです。
■「优势」と「優位」
日本語には、「優位」の類義語として「優勢」も存在します。それに対して、中国語では“优位”という表現はほとんど使われていません。そのため、中国語の“优势”は日本語の「優位」と「優勢」の両方に対応することになります。では、「優位」と「優勢」の違いは何かについて考えてみます。両方とも「ほかよりまさっている、有利である」ことを意味しますが、「優位」は静的な状態を表しているのに対して、「優勢」は動的な状況を表しています。いわば、静止画的なとらえ方と動画的なとらえ方の違いです。このようなとらえ方の違いはあるものの、多くの場合において言い換えが可能です。ただ、「競争(的)優位」や「比較優位」など一部の複合語においては「優位」がよりふさわしい場合があります。
■「防狼用品」と「痴漢対策グッズ」
日本語の「痴漢」は、公共の場(特に公共交通機関)においてほかの人(ほとんどが女性)に対してセクハラをする人のことを言います。一方、中国語の“防狼用品”における“狼”は、“色狼”の略語で広くセクハラをする人のことで、公共の場とは限りません。また、痴漢行為は日本では特に社会問題化しています。日本の駅などでは、必ずと言っていいほど「痴漢は犯罪です!」というポスターを見かけます。一方、中国ではそのようなポスターはほとんど見られません。また、「痴漢対策グッズ」以外にも、「痴漢防止グッズ」「痴漢撃退グッズ」「痴漢抑止グッズ」など様々な言い方があります。
■「老物品」と「懐かしの品」
中国語の“老物品”は“老物件”などとも言い、「中古品」や「古物」の意味もありますが、それだけでなくさらに懐かしいという感情が入っている表現になります。中国語では、単なる「中古品」の意味を表す場合は、“二手货”や“旧货”といった表現を使います。(許永新)
「人民網日本語版」2016年2月22日