例えば、清華大学の学生に人気なのは、作家・劉慈欣の小説「三体」シリーズ。北京大学では、フランスのアレクシ・ド・トクヴィルが書いた「アメリカの民主政治」が貸出回数で2位に入っているほか、南派三叔の人気小説「盗墓筆記」がトップだった。山東大学では、米国のドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」が人気となっているようで、原作となったファンタジー小説「氷と炎の歌」のシリーズがトップ10のうち、3席を占めた。
次に「Open Syllabus Project」の結果を見てみよう。
米国の名門校の学生に人気なのは、有名な哲学書。プラトン、トマス・ホッブズ、ニッコロ・マキャヴェッリ、アリストテレスなどの哲学者の著作が圧倒的に人気となった。これら哲学書や中国の古典名作は、中国の大学のランキングではほとんど目にしない。
浙江大学公共管理学院の教授を務める、同大学人口・発展研究所の米紅・執行所長は、「中国と米国における読書の違いは、両国の大学の教育スタイルの違いを映し出している。欧米の大学の多くの教師は、権威ある専門書を中心に授業を行い、インターネットの影響をほとんど受けていない。名門校の教師が古典・名作を基に授業を行っているのを背景に、米国の名門校・アイビーリーグの学生がプラトンの『理想の国』、アダム・スミスの『諸国民の富の性質と原因の研究』など、資本主義制度の基礎となる著書・文献を好んで読むのは、不思議ではない。一方、中国の大学の授業では、古典が使われる割合が小さい。主に今と未来の発展において直面する課題に重きを置いている」と分析している。
「人民網日本語版」2016年2月16日