海南省の西環高速鉄道が先月30日に開通し、竣工済みの東環高速鉄道と連結し、世界初の島を一周する鉄道になった。同鉄道は多くの新技術・新材料を採用し、熱帯の島の高温・多湿・強腐食性といった環境による影響を克服し、東南アジアおよび全世界の熱帯海洋気候下における高速鉄道の建設・運営の模範となった。科技日報が伝えた。
◆防腐技術で安全性を確保
中国の高速鉄道建設業者は、コンクリートの原材料、コンクリートの生産、施工技術など多方面の管理を強化し、さまざまな耐腐食技術・措置を開発した。これによって橋のコンクリート構造の耐久性を高め、橋の使用期限内の安全性を確保した。
◆島の特殊な環境に対応
海南省の高温・多湿、塩分を含む霧、頻発する台風という特殊な地理的環境を鑑み、架線には台風対策の処理が施された。設計・構造を見ると、一体式アームと強化吊り下げ構造を採用しており、台風に強く沿岸部での使用に適している(風速25m/sより減速と規定)。レール締結装置には亜鉛・ニッケル浸透特許技術を用いた防腐処理が施されており、メンテナンス費用を削減し、使用寿命を延ばした。
◆雷と地震にも対応
海南全島、特に海口市では雷が発生しやすく、通年の約3分の1の時間は雷に見舞われる。西環高速鉄道の全線では、落雷対策の技術処理が強化されている(海口区間が最高レベル)。また沿線には、地震警報システムが設置されている。海口の建築物・構築物は、烈度8(注:烈度は中国で使用されている12段階の震度階級)の地震にも耐えられるよう建設されており、中国大陸の高速鉄道の中では極めて高い対策レベルとなっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月5日