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<企画>2015世界ロボット大会閉幕 中国ロボット産業の未来はどこに?

人民網日本語版 2015年11月26日10:19

国際ロボット連盟の統計によると、中国は2013年、日本を超え、世界の産業用ロボットの最大の市場となった。2014年に二連覇を果たし、販売台数は56%増の5万7000台に達した。世界の産業用ロボットの年間販売台数は2014年に22.5万台で、中国の販売台数は約4分の1を占めた。

産業規模1千億元超

工業・情報化部(省)装備工業司機械処の王建宇処長は「中国は現在、ロボット産業『十三五』(第13次5カ年計画、2016-2020)計画の制定を急ピッチで進め、国内のロボットの研究開発や普及応用、基準体系建設などでの発展を後押ししている」と語った。計画によると、中国の産業用ロボットの年間販売台数は2020年までに15万台、保有台数は80万台となり、2025年までに販売台数は26万台、保有台数は180万台に達する見通しだ。また「十三五」期の終わりまでに、中国のロボット産業クラスターの生産額は1千億元を超える見込みだ。>>>>詳細へ

世界市場シェアの3割占める

このほど、中国電子学会が「中国ロボット技術・産業発展戦略」を発表した。それによると、中国製ロボットは2030年に世界市場で30%のシェアを占めることになる。

大規模 ≠ ハイエンド

しかし、先進国と比べると、中国の産業用ロボット産業にはまだ大きな遅れが見られる。中国のロボット市場は大規模だが、国産ロボットのシェアは低く、ブランドの知名度も高くない。コントローラーや減速装置などのキーパーツの研究開発能力が不十分で、先端製品は輸入に依存している。国産ロボットは主に搬送や原材料注入ロボットが中心で、ローエンドに位置する。

新松ロボット公司中央研究院の徐方院長や中国科学院オートメーション研究所先端ロボット研究センターの呉正興博士ら専門家によると、ロボット、特に知能サービスロボットは、人間の動作や行動、思考法、その他の各種能力を備えている必要がある。そのため研究開発や製造は非常に複雑。>>>>詳細へ

1.外界感知の難しさ

ロボットの外界感知は主に、各種のセンサーを通じて行われる。センサーの精度と信頼性を絶えず高め、多数のセンサーの情報を融合することは、ロボットの感知システムで解決が迫られる技術的任務である。

2.「脳」による思考の難しさ

クラウドコンピューティングやクラウドストレージ、インターネットなどの技術の融合によって実現されたロボットの「脳」システムは、一台のスーパーコンピューターに匹敵する。科学者らは常に、演算速度の向上やさらにすばやい反応、さらに豊かな知識の把握に向けた取り組みを続けている。

3.人間との交流の難しさ

ロボットの音声センサーが声の信号を収集し、音声識別システムと言語処理技術を通じて話された内容の解析を行い、意味を聞いて「理解」した後、コンピューターが反応の指示を出し、音声合成システムを通じて人類の発話をシミュレーションする。雑音の大きな環境下で音声を識別・理解・処理するのは、非常に重要で難度の高い技術となる。

4.安定した移動の難しさ

ロボットは自分でルートを認識し、自由に走行し、自ら障害を避けなければならない。これには自主的なナビゲーション・ポジショニングや動的なプランニングなどが必要となる。

「中国ロボット技術・産業発展戦略」によると、中国のロボット産業の未来の発展は、産業用ロボット、サービスロボット、特殊用途ロボットに的を絞る。

2015年国家ロボット発展フォーラムで明らかにされたところによると、中国は2013年に新たに3万7千台の産業用ロボットを導入し、年間ロボット導入台数が世界最多となった。14年の導入台数は約5万6千台で、このうち約1万台は国内で製造されたものだった。ここから中国が世界最大の産業用ロボット製造国になったことがわかる。

中国工程院院士、中国科学院瀋陽自動化研究所研究員の王天然氏によると、中国のロボットの旺盛な需要には、労働力の不足と人件費の高騰という原因がある。企業は人の代わりにロボットを選択し、生産効率を高めることが可能で、長期的に見るとコストを削減できる。>>>>詳細へ

現在の流れを見ると、サービスロボットが新たな成長源になろうとしている。サービスロボットは主に、リハビリや四肢機能強化など障害者・高齢者のリハビリ用ロボット、および未来の高品質な生活を牽引する家庭用ロボットが中心となる。 高齢化が進み、介護を手伝えるロボットの需要が旺盛だ。

スマートサービスロボット

 

「莱迪」と呼ばれるスマートロボットは、湖南栄楽科技有限公司が独自開発・製造した家庭用ロボット。同ロボットは歌をうたい、人と会話し、家電のスマート制御とリンクが可能だ。主人の命令によりクイック決済が可能で、家庭内の高齢者や子供のために、様々なサービスを提供する。>>>>詳細へ

 

 

ロボット店員

 

海南省海口市海秀東路の香港料理レストランに身長1メートル50センチほどの「ロボット店員」が採用されている。このロボット「美美」の使用寿命は7−10年で、1度の充電で12時間稼働でき、1時間で60皿の料理を運ぶことができる。>>>>詳細へ

 

 

しかし、産業用ロボットと比べ、中国ではサービスロボットの応用例がまだ少ない。北京理工大学教授の高駿暁氏は、「技術的に見ると、サービスロボットと産業用ロボットの差は大きくないが、後者は用途が比較的はっきりしており、高額でも受け入れやすい。一方でサービスロボットの作業は複雑で、特に万能型ロボットの場合は割高となり、多くの家庭では受け入れられない」と指摘した。

特殊用途ロボットのうち、医療手術ロボットでは腹腔鏡手術、血管介入手術、整形外科手術などのロボット技術の進展を実現する。同時に宇宙・海洋・国防・核環境などの特殊用途ロボットの産業化を実現する。

手術補助ロボット

 

2015年8月、北京積水潭病院院長、脊椎外科主任の田偉氏が率いる開発チームは、中国が独自に開発した整骨科手術補助ロボットを使用し、上部頚椎の複雑な奇形により頭蓋底が凹んでいる患者に対して、世界初の「環軸関節のボルト固定手術」を成功させた。田氏は、「上部脊椎奇形は脊椎外科で最も複雑な手術だ。補助ロボットを使うことで、正確な測位と操作が可能になる」と話した。>>>>詳細へ

 

宇宙用ロボットアーム

 

「世界ロボット大会(World Robot Conference 2015)」において、中国航天科技集団公司第五研究院総体部が開発を担当した宇宙用ロボットアームが登場した。このロボットアームの長さ(全開時)は10メートルを超え、自主匍匐・拡張能力を持ち、柔軟性が高く、広い範囲に到達できる。広範囲・高負荷の操作および局地的かつ詳細な操作を同時に実現できる。>>>>詳細へ

 

 

また情報技術、特にインターネットや人工知能の製造業との融合により、ロボット産業も変革に直面している。ロボット産業は「2.0」の時代に足を踏み入れつつある。王氏は、人工知能とインターネットの技術発展はロボットに強力な「後脳」を提供し、スマート水準を高めると指摘した。材料科学の発展に伴い、人工筋肉などを使い「軟体ロボット」を作れるようになる。これはロボット産業に革命をもたらす。脳科学と結びつけることで、ロボットの一部の行為を人が直接制御できるようになる。生命科学と結びつけることで、「命」を持つロボットを生産できるようになる。(編集SC)

「人民網日本語版] 2015年11月26日

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コメント

嵯峨 新一郎   2015-11-27153.172.176.*
中国は、IQが世界一、向上心、勉学、豊富な人材、どれをとっても世界一なのだから、ロボット製造分野でも、世界一になるのは時間の問題だろう。政府が、ロボット開発企業の統合と競争と起業の自由化と知的財産保護をバランンスよく支援すれば、2020年頃までに世界の最先端に立てるだろう。

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