劉校挙さんの家は天津・北辰区にある。彼女は毎朝6時に起床し、朝食を食べて身支度を済ませると、車で10数キロ離れた天津高速鉄道・武清駅まで行き、乗車券代38.5元の北京南駅行き高速鉄道に乗り込む。高速鉄道は23分で84キロを走行し、北京南駅に到着すると地下鉄4号線に乗り換え、混みあった地下鉄を北へ3駅乗った場所が勤務先のある北京市宣武門だ。夕方はこの逆のルートで再び120キロの距離を移動して帰宅すると、疲れた彼女はまだ1歳にならない息子を抱きしめる。240キロの道のりを経て、1日が終わる。中国青年報が伝えた。
2008年8月1日に京津(北京―天津)都市間鉄道が開通したことで、都市間鉄道経済が北京と天津を結ぶ「1時間生活圈」を生み、その後に続く省をまたいで通勤するサラリーマンたちの「2つの都市」での生活のための伏線となった。天津武清開発区は同路線唯一の途中停車駅だが、ある意味で北京の地下鉄の延長の一部になったと言える。
欧州や日本など、少なくとも中国より10数年早く高速鉄道を導入した国では、遠距離通勤がすでに一部のサラリーマンにとっては日常風景になっている。しかし中国では、高速鉄道に乗って出勤するというのはまだ一般的ではない。鉄道の時刻表の運行スケジュールに大きく左右されるだけでなく、費用も高いためだ。しかし交通費の高さは、北京の高い住宅費の前では意味を失う。劉校挙さんの計算によると、彼女の勤務先近くで1LDKの古い家を借りると家賃は4300元(約7万円)だが、週に5日天津から北京まで往復する通勤コストは2000元(約3万2600円)以下で、半額以下で済む。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年7月18日