ペルム紀末の大量絶滅により、約95%の海洋生物と75%の陸上生物が絶滅したが、この絶滅の形式と原因については、学術界で長く異なる意見が上がっていた。中国科学院南京地質古生物研究所の研究員である沈樹忠氏とマサチューセッツ工科大学の科学者はこのほど、大絶滅の期間は約6万年に渡ることを明らかにした。関連成果は「米国科学アカデミー紀要」に掲載された。中国科技報が伝えた。
今から約2億5000万年前のペルム紀末、有史以来最も深刻な大量絶滅が発生し、三葉虫、ウミサソリ、重要なサンゴ類が絶滅した。この大絶滅により、海洋を約3億年に渡り支配してきた主要生物が衰退・絶滅し、恐竜などの爬虫類動物の深化の道が開かれた。その他の大絶滅は、生物の深化の過程にこれほど深刻な変化をもたらさなかった。
沈氏を含むチームは、浙江省長興の山腹の火山灰に対して、より精密な年代特定と炭素同位体の分析を実施した。山の切断面を分析したところ、生物の大絶滅が始まったことを示す25層火山灰は2億5194万1000年前のもので、大絶滅が終了したことを示す28層火山灰は2億5188万年前のものであることが明らかになった。つまり大絶滅は約6万年内に発生した、突発的な現象であったことが分かる。同切断面の精度の高い年代特定は、新たな炭素同位体の変化曲線と、シベリアの巨大火成岩岩石区の形成との関係に新しい時間軸を提供し、ペルム紀末の生物大絶滅の原因の説明に新たな証拠を提供した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年2月21日