蘭州大学の黄建平教授率いる科学研究チームはこのほど、中国初の多帯域ラマン蛍光レーザーレーダーシステムを開発した。同システムは煙霧の研究と予警報に使用できるほか、衛星データの補正、医療気象観測などの分野に用いることができ、世界先進水準に達している。光明日報が伝えた。
黄教授は、「同システムは強力なレーザー装置で、空に向け3本のレーザー(3種の帯域)を発射する。紫外線レーザーは大気中の微粒子と作用して蛍光を出すが、この大気に反射して戻ってきた信号を大型望遠鏡でキャッチする。これには計38の帯域がある。国内の多くの研究で用いられている少数の帯域では、微粒子の大きさ、形、成分などを十分に認識できない。インドの科学者のラマンは、光と粒子の相互作用を発見した。この作用により、光の波長と周波数に変化が生じる。キャッチした信号に対して分光・抽出・測定を実施し、その変化の大きさに基づき化学成分を特定できる。つまり大気中の汚染物、特に人体にとって有害な有機物の重要な性質を分析できる」と説明した。
同チームのメンバーである黄忠偉氏は、「煙霧に注目が集まっているが、煙霧の原因や成分などの問題に対する認識はまだ不十分だ。同システムは持続的に稼働し、異なる高度の煙霧の変化データを測定することが可能で、さらに高い精度を誇る」と語った。
中国の世界気候変動、宇宙環境モニタリングなどの分野は、多くのレーザーレーダー技術のサポートを必要としているが、これまでは海外から輸入した高額の製品に依存していた。同システムの開発成功により、中国の関連製品の購入費を削減できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月23日