台風30号、「史上最強」の台風ではない=中国専門家
あるメディアはこのほど、「今年の台風30号(アジア名・ハイエン)は人類史上最強の台風となった」と報道した。これに対し、中国中央気象台首席予報士の張玲氏は11日、「今年の台風30号の最大風速は、1981年以降に太平洋北西部で発生した最大の台風に匹敵するが、中国の台風観測データによると、1981年より前に太平洋北西部と南中国海の海域で発生した台風の中には、今回の台風30号を上回る強さのものもあることから、『史上最も強力』という言い方は正確ではない」と指摘した。人民日報が伝えた。
中国中央気象台首席予報士の許映竜氏は、「今年の台風30号は、気象観測データの記録が開始されてから太平洋北西部で発生した、上陸時の勢力が最強の台風だ。また中華人民共和国の建国以降、11月に海南島に上陸、もしくは近海を通過した最強の台風だ」と説明した。
◆風速は1983年・1990年の台風に匹敵
張氏は、「フィリピン上陸後に観測された台風30号の最大風速は、秒速75メートル(秒速は52メートルを超えると特大級台風となる)に達した。中国中央気象台の1981年以降の統計データによると、この風速は1983年の台風10号、1990年の台風25号と並び最大だ」と述べた。
また過去の資料によると、11月に東から西に移動し南中国海に入った台風は、一般的にベトナム中南部に上陸してから南中国海で勢力を弱め消滅する。しかし今年の台風30号は、1949年以降で11月に初めてベトナム北部に上陸した台風となった。またベトナム上陸後も台風レベルの風速(秒速33メートル)を保ち、中国の広西チワン族自治区に入り、東に折れて同自治区の東部に移った。これは歴史的にもまれに見ることだ。
太平洋北西部と南中国海で発生した今年の台風の数は30に達しており、例年の発生数を5.5回上回り、21世紀としては最多となった(2004年の発生数も30回)。張氏は、「この海域で再び台風が発生した場合、1995年以降の最多記録となる」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年11月13日