MSによるノキア買収のメイド・イン・チャイナへの啓発
マイクロソフトはノキアの設備・サービス事業を71億7000万ドルで買収すると発表した。買収が完了すれば、世界のスマートフォン市場は3大勢力の対立構造が一段と強まる。グーグルのモトローラ・モビリティ買収に続き、「ソフト」が「ハード」を呑み込む買収劇が再び演じられる。広州日報が伝えた。
実は今年6月に中国の華為技術もノキア買収に興味を示した。マイクロソフトが買収に興味を示していたことと、ノキア株主の反対により、華為の計画は頓挫した。ノキアが買収される企業を選択するにあたり中国企業を信頼しなかったのは、中国企業の財務の問題でも、中国企業の能力の問題でもなく、中国企業の知名度不足、および世界で最も優れた企業と同じ土俵で対立したためだ。マイクロソフトと華為の両者から買収を打診された際、ノキアがマイクロソフトを選択したのは当然のことだ。
今日、「メイド・イン・チャイナ」は力強く海外進出し、世界各地で外国企業を合併・買収し、「メイド・イン・チャイナ」のモデルチェンジとアップグレードを実現している。この過程において、中国企業が産業の末端にあることが、「メイド・イン・チャイナ」のブランド能力が弱く、ブランドの影響力が外国企業の尊敬を得るに足りないことを決定づけている。ノキアは「最強で、最も長持ちし、品質が最も良い」とのイメージを確立しているが、華為は低価格携帯の生産で知られている。華為の売上の大部分は比較的所得の低い国でのものだ。華為がノキアを買収するのは、蛇が象を呑み込むようなものだ。
マイクロソフトによるノキア買収の成功という実例は、欧米諸国の法律は中国企業による現地企業のM&Aにとって一定の障害となっているが、中国企業がまずすべきは国際的なM&Aの知識と能力を備え、M&Aの革新能力と管理能力を備え、高く評価される企業の経営団と運営メカニズムを備えること、そしてそれ以上に世界の目を輝かせる優秀なブランドを打ち出すことであることを、中国企業に諭している。この点において、まだ明らかに欠落と落差がある。
少し前に発表された「グローバル500」にランクインした中国企業は、首位の米国と比べても、3位に後退した日本と比べても、さらには日本より下のドイツ、フランス、英国と比べても、競争力においても、ブランドの国際化においても、2位という高い座にふさわしからぬ状況にある。中国企業は世界レベルで国際的影響力を持つブランドを依然欠いている。このため中国企業による国際的M&Aは、よろよろ歩きで、難航せざるを得ない。世界的規模で大企業が新たなM&Aと再編を行う中、中国企業の挫折は、改めてわれわれに警鐘を鳴らしている。世界経済構造の中で一角を占めたいのなら、国際的影響力のあるブランドを創造し、国際的マネジメント水準にある大企業をつくり、国際的な水準と能力を備えた人材を育てることが、いつにも増して重要で、必要とされているのだ。これは中国企業が海外進出し、国際的なM&A・再編に参加するうえでの大本でもある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年9月6日