準天頂衛星システム ミサイル発射に正確な信号を提供可
日本経済新聞は5月31日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が三菱電機およびNECと開発した世界最高の精度を誇る位置測定技術が、2018年にサービス提供を開始すると報じた。同システムの測定誤差は、米国のGPSのわずか1000分の1で、1センチ程度となる。人民網が伝えた。
報道によると、この「準天頂衛星システム」は日本の経済成長戦略において重要な位置を占め、国内サービス業をけん引する他に、世界へのインフラ輸出面でも重要な位置を占める。同システムの開発は、アジア太平洋地域に年間約4兆円の市場効果をもたらすという。
同システムが軍事目的に使用されるかという問題について、中国人民解放軍国防大学の李莉教授は、「同システムは米国のGPS信号を日本上空で強化するもので、既存のGPSの日本版と言える。さらに3基の衛星が打ち上げられ、8時間おきに日本の上空を通過する。そのため同システムは、日本上空により正確な位置測定信号を提供することができる」と指摘し、日本の2つの意図を次のように分析した。
「まず民間分野で、カバレッジを引き上げることが可能だ。日本は高層ビルが密集しており、時にはGPS信号を受信できないことがあり、カバレッジは30%となっている。しかし準天頂衛星を3基打ち上げれば、100%のカバレッジを実現できる。次に、同システムの測定誤差が数センチ級に達するならば、これは民間基準ではなく軍用基準である。そのため同システムは日本のミサイルに正確な位置測定信号を提供できる。これは紛れもない事実だ」。
李教授は、「同システムは2018年にサービスの提供開始を予定している。日本は現在、独自に開発したミサイルを保有している。まだ弾道ミサイルは保有していないが、将来的に弾道ミサイル発展の条件が整えば、それに対して正確な誘導情報を提供できる。日本側に、このような深い考えがあるのは明白だ」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年6月5日