H7N9型鳥インフル、薬剤耐性を持つウイルスを確認
英医学誌「ランセット(The Lancet)」のウェブサイトでこのほど、上海公共衛生臨床センターなどの研究者がまとめた報告書が発表された。それによると、一部の患者の体内から検出されたH7N9型鳥インフルエンザのウイルスに変異が生じ、変異したウイルスは一部の抗ウイルス薬剤に耐性を示すことがわかった。しかし、大部分の患者にとっては、タミフルなど抗ウイルス薬のできるだけ早い投与が依然として効果的だという。人民日報が伝えた。
報告書によると、上海公共衛生臨床センターがH7N9型鳥インフルエンザウイルスの患者14人に対する治療・分析を行ったところ、重症患者3人は、通常の薬品投与で反応が見られなかった。うち2人は死亡、3人目は特殊設備で血液に酸素を供給し存命しているという。
これらの患者の血液や尿のウイルス負荷量を検査し、ウイルスの遺伝子検査を行った結果、3人の患者から検出されたH7N9型ウイルスはすでに変異し、一部の抗ウイルス薬剤に耐性を示すことがわかった。うち1人から検出されたウイルスは感染後に変異したもので、治療が変異の原因となった可能性がある。
研究者はH7N9型ウイルスの変異に対する監視を強め、現在行っている治療措置を必要に応じて適時調整するべきとの見方を示している。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年5月30日