中国の3Dプリンティング技術、世界最高水準に 実用化が課題
コンピュータの中で作られた3次元形状データをそのままカタチにする「3Dプリンティング」がこのほど、科学技術界で注目を集める技術となっている。オバマ米大統領は同技術に米製造業の復興の期待をかけており、中国でも第三次工業革命のチャンスをつかむ機会とされている。では中国の3D技術水準は、世界最高水準と比べて、どの程度に達しているのだろうか。人民網が伝えた。
華中科技大学材料科学・工程学院副院長、「材料成形・金型技術国家重点実験室」副主任の史玉昇氏は4日、人民網のインタビューに応じた際、「中国の3Dプリンティングの技術水準は、20数年間の努力とイノベーションを経て、世界最先端水準とほぼ肩を並べた。しかし設備の信頼性、適用材料の多様性、応用などの面で、まだ開きがある」と述べた。
史氏は「3Dプリンティングは、1980年代末に米国で誕生した。中国は80年代末から90年代初頭に、同技術の研究を開始した。海外より数年間遅れたが、ほぼ同時に研究を開始したと言える。しかし国内の研究チームは当時その原理を知るだけで、試作機を目にしたことがなかったため、イノベーションの道のりは長く険しいものであった」と振り返った。
史氏は「当然ながら、中国と海外の間にはまだ開きがある。これは設備の信頼性から見て取れる。また海外の材料の種類は、中国より多い」と冷静に分析した上で、さらに重要な開きとして応用面を指摘。「3Dプリンティングは海外の多くの業界で幅広く応用されているが、中国では少数の業界に集中しており、応用範囲が狭い」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年12月5日