安倍首相、1月訪米困難に 米側、成果重視で慎重姿勢
安倍晋三首相の1月中の訪米が困難な情勢になった。2期目を迎えるオバマ米大統領の多忙さに加え、早期の首脳会談では成果も乏しいと見られるからだ。外務省の河相周夫事務次官は7日にも訪米し、米政府高官らに安倍内閣の外交方針を説明したうえで、改めて会談日程を調整する。
岸田文雄外相は6日、首相訪米について「大統領就任式の準備などで外交日程が組めない」と記者団に語り、1月中は難しいとの認識を示した。首相は就任前の昨年12月18日、大統領との電話協議を踏まえ、「1月に首脳会談を予定している」と語っていた。
ただ、大統領は「財政の崖」問題を乗り越えたばかりで、21日には2期目の就任式、月末には一般教書演説を控えている。米側は「首相を迎えるには時間が足りない」として、月内の会談に難色を示している。
また、現状では環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加問題や米軍普天間飛行場の移設問題などでの進展は望めない。外務省幹部は「大統領は会談で具体的な成果を望んでいる」としており、米側が早期の首脳会談に慎重姿勢を示しているようだ。1月末に通常国会が始まると首相が予算審議に縛られ、訪米がさらに遅れる可能性もある。
asahi.com 2013年1月7日
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