2009年のテレビドラマ「蜗居」(「かたつむりの家」。狭苦しい我が家を指す)は都市部で暮らす現代の若者たちの人気を集め、「蜗居」のライフスタイルが多くの人の共感を呼んだ。現実でも、こうした実生活の例は少なくない。華西都市報が伝えた。
成都で働く潘渭さんの家は、広さ18平方メートルのコンテナだ。賃料の安いコンテナハウスは、夢を追い求める多くの出稼ぎ労働者のスタート地点となっている。
春節(旧正月。今年は1月31日)の連休も終わり、安徽省出身の潘渭さんは成都に戻って再び出社することになった。両親は彼の荷物に様々な特産品やお土産を詰め込んでくれた。「冷蔵庫に入れておけば、何日も保つからね」という両親に潘渭さんは、成都市内のビジネスエリアの端で同僚とルームシェアで部屋を借りており、共用のリビングにはエアコンと冷蔵庫があり、彼自身は1部屋を独占している、と話してある。
しかし実際には、テーブルやイス、クローゼット、ベッド、エアコンや冷蔵庫といった全ての家具・家電を詰め込んだわずか18平方メートルのコンテナが潘渭さんが半年以上住んでいる「自宅」だ。広さ18平方メートルの部屋を成都で普通に借りたなら、1カ月に400元―600元はかかる。しかし潘渭さんが住んでいるコンテナハウスの賃料は1日あたりわずか6元だ。夏は暑く冬は寒く、水や電気を使うのも不便だが、彼は今でもベッドやクロゼット、エアコンなどが全て揃ったコンテナハウスを「我が家」として暮らしている。
コンテナハウスは成都で2012年から人気を集め始めた。潘渭さんのような「コンテナ族」は同市のあちこちで暮らしており、少なく見積もっても8000人以上はいると見られる。彼らの多くは工事現場で働く作業員で、他の地方からの出稼ぎ労働者もいれば、一部には潘渭さんのようなホワイトカラーや大学生も含まれる。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年2月10日