映画「最有力容疑者」が16日午前、第4回北京映画祭の「新作」部門に登場した。「四大容疑者」の蘇有朋(アレックス・ウー)、林俊賢(ウィルソン・ラム)、矢野浩二、劉樺(リウ・ホア)がそろって登場し、また「私は容疑者ではない」と口々に語った。この映画は謎が謎を呼び、人々の興味を呼び起こす。
「最有力容疑者」は本日から全国で公開される。ある100年以上の歴史ある薬の処方が蘇有朋、林俊賢、陳喬恩(ジョー・チェン)、矢野浩二、洪暁熙ら数カ国の人々が1つの「100年の薬の処方」を巡って争奪戦を繰り広げる。この利益のゲームにおける争いの中で、処法を握る「神秘の人S」の出現により、状況は混迷する。
映画では、成金の社長、悪辣な商人、機を見るに敏な秘書、不眠症患者、悲惨な従業員など、それぞれ疑わしい人が「S」というコードネームの最有力の容疑者を探す。記者会見現場では、「最有力容疑者」候補の蘇有朋、劉樺、林俊賢、矢野浩二、柯俊雄(ホー・チョンホン)ら出演者が自分の「潔白」を強調し、何度もの「弁明」の後で映画の謎がさらに深まっている。
蘇有朋は今回の「最有力容疑者」で神秘的な人を探すだけでなく、「不眠」の役割を演じている。不眠症患者を初めて演じた蘇有朋は、撮影中のプロ意識で制作スタッフに強い印象を与えた。役柄に近づき、その心理に迫るために、蘇有朋は自主的にダイエットし、また数日眠らないようにして、眠れない不眠症患者の極限の生理的状態を表現した。記者会見で蘇有朋は「故意の不眠症」の感想について、今回は本当に命がけの演技だったと語った。張承監督も「本当に彼は大変だった」と語る。
同作の脚本兼監督をつとめた張承氏は、同作品は「瘋狂的石頭」(CRAZY STONE)の成功のモデルを踏襲し、爆笑をサスペンスに変え、ブラックユーモアのサスペンスのスタイルを失わずに、中国で空白となっているインテリ層の観客をターゲットにすると語った。
映画は冒頭で観客に「最有力容疑者のSとは誰か?」と問いかけ、様々なエピソードで容疑者それぞれの疑わしいポイントを描きだす。それぞれの役柄はネジのように、各ポイントでサスペンスの色彩を強める。作品中の意外な反転により観客の判断は覆され、映画の楽しみを上映時間の100分に限らないものにしている。
業界関係者によると、「最有力容疑者」の独特の謎解き方式の手法は、観客の映画鑑賞の判断を撃ち破るものだ。同作品は血腥さの要素を排除し、ストーリーのサスペンス感やテンポの緊張感で観客を真相追究へと誘う。北京映画祭の最も注目を集める新作として「最有力容疑者」は喜劇の脚本家としての張承監督の野心のみならず、サスペンスに対する国産映画の新たな解釈も表現したものとなる。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年4月18日