「中国は元安操作をしない」 中央銀行総裁が断言
中国中央電視台(CCTV)の報道によると、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は3日に開かれた国際通貨会議の年次総会で、「人民元為替レート改革以来、人民元の対米ドル相場は35%上昇した。国家の関連部門はホットマネーの問題に注目している。中国が競争的な為替相場引き下げにより、国内の競争力を高めることはない」と語った。新京報が伝えた。
◆人民元相場、2カ月で1.45%上昇
周総裁は上述した年次総会の期間中、「2005年の人民元為替レート改革以来、人民元の対米ドル相場はすでに35%上昇しているが、実際にはこの数値をさらに上回っている」と語った。周総裁はホットマネーの問題について、「国際資本の大量の流動を受け、国の関連部門はすでに同問題に注目しており、モニタリングを実施中だ。中国が競争的な為替相場引き下げにより、国内の競争力を高めることはない」と述べた。
経済成長の原動力不足により、今年より米連邦準備制度理事会、日銀、欧州中央銀行を含む国と地域の金融政策決定機関が、量的緩和策を実施し本国通貨の相場を引き下げ、経済成長を試みている。円を例とすると、対ドル円相場は今年以来、すでに30%弱下落している。
しかし人民元には異なる動向が見られる。人民元の対米ドル相場は今年以来1.7%上昇している。特に4月以降、人民元の対米ドル中間値は過去2年間で最大の上昇期を迎えている。4月1日から5月31日の2カ月間で、人民元の対米ドル中間値は1.45%上昇し、2010年10月以来で最速のペースとなった。