EU、反ダンピング関税の仮決定を5日に発表へ
EUは5日、中国製太陽光パネルに対する反ダンピング関税の仮決定を発表する。18加盟国からの反対という圧力に直面しながらも、欧州委員会の関税徴収に向けた態度は強硬だ。専門家は「もし反補助金・反ダンピング措置の実施が決定されれば、欧州の太陽光発電産業、ないしは世界の太陽光発電産業にマイナス影響が及ぶ。しかし、業界の先行きは依然として明るく、中国の太陽光発電産業は2-3年以内に業界再編を終えるだろう」との見方を示す。中国新聞網が伝えた。
▽EUによる対中制裁措置、中国にもEUにも悪影響
EUは5日、中国製太陽光パネルに対する反ダンピング関税の仮決定を発表する。18加盟国からの反対という圧力に直面しながらも、欧州委員会の関税徴収に向けた態度は強硬だ。欧州委員会はすでに中国企業・政府に対する反補助金調査の証拠取得も完成させ、8月上旬には仮決定を発表するという。中国企業が「双反(反補助金・反ダンピング)」措置をめぐる訴訟で勝利を得られる可能性は低い。
中国の太陽光発電産業は、現時点ですでに深刻な供給過多の状態だ。EUによる「双反」措置が実施されれば、欧州市場への依存度が高い企業にとっては致命傷となる可能性がある。
しかし一方で、同分野における中国・欧州企業は長期的に川上・川下の関係にあり、もし中国の製品に高額の報復関税をかければ、欧州ないしは世界の太陽光発電企業にとっても不利となる。
発展改革委員会エネルギー研究所の時璟麗研究員はこのほど中国新聞網の動画インタビューに出席し、「中国の太陽光パネルへの『双反』措置は、欧州の太陽光発電産業にとっても、マイナス影響がプラスの影響を上回る。世界の同産業にとっても不利だ」と語った。
時研究員はまた、「『双反』措置を実行すれば、欧州の太陽光発電の投資価格が上昇し、市場規模にも影響をきたす。欧州の大部分の国は太陽光発電製品に対して補助金を出しているため、『双反』措置によって財政支出が引き続き増加する。もし財政支出を増やさなければ市場が大幅に縮小するだろう」と分析した。