中韓が自由貿易協定の交渉を推進、米日に対する「警告」に (2)
喜ぶ人がいれば、不満を抱く人もいる。中韓自由貿易協定は、米国と日本の神経を尖らせるだろう。米国は世界唯一の超大国であり、群雄を見下すことが可能であった。しかし中国経済の持続的な成長により、米国は大きなプレッシャーを感じている。米国は中国を仮想敵とし、内政から外交に到るまで中国の発展を極力妨害し、さらにはアジア太平洋回帰の重大な戦略を開始した。経済・貿易面で、中国は複数の自由貿易協定によるアジア自由貿易体を主導しようとしている。中国ASEAN自由貿易区は2010年より全面的にスタートされ、2012年5月には中韓の自由貿易協定の交渉が始まり、2012年11月には中日韓自由貿易協定の交渉が始まった。米国がこれに介入しないはずがなく、TPP加入を宣言した。米国は日本をTPP交渉に巻き込み、東アジア経済一体化の進捗に全面的に介入し、これを主導しようとしている。米国はさらに裏から圧力をかけ、中日韓自由貿易区の交渉を妨害している。
日本は常に米国についており、米国のアジア太平洋回帰に積極的に協力し、自らその先鋒を務めている。釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題の発生後、中日関係はかつての「政冷経熱」から「政冷経冷」になり、中日韓自由貿易協定は何度も棚上げになった。3カ国が正式に交渉を開始してからも、日本政府は米国がこれを快しとしていないことから、おざなりにしている。朴大統領は今回の訪中で、中国との自然な親しさを示し、両国は自由貿易協定の交渉で認識を一致させた。これは日本にとって快くないことだ。米国人の従者を長年務めている日本も、心の中ではよく分かっているはずだ。軍事面で米国の核兵器の保護に依存することは、日本の利益にかなうので大きな問題ではない。しかし日本は経済面で、日米同盟から何らかの利益を得たことはなく、プラザ合意がその一例だ。安倍首相は再任後、無制限の金融緩和を推進し、一時的に一定の成長を実現した。しかしこの経済モデルは持続性が欠けており、中国を含めたアジア諸国との経済・貿易協力の発展が、避けては通れない道となっている。日韓が対中貿易で競い合っているとするならば、日本はすでに出遅れたと言える。戦略を調整し対応に当たらなければ、日本は「失われた20年」を繰り返すかもしれない。
米国の包囲強化、韓国との経済・貿易の連携強化に対して、中国は実務的かつ知性あふれる措置をとっている。TPP交渉で、中国は相手の裏をかくことができる。中国はTPPをアジア太平洋の経済統合の契機とし、交渉の扉を開き、交渉の中で米国主導の目論見に対して警戒を維持する。中国はその一方で、韓国などの国との実質的な自由貿易協定の交渉を実務的に進める。韓国の産業界とすでに形成している堅固な経済・貿易関係により、中韓二国間自由貿易区の協議をタイムリーに推進することで、米日韓同盟に亀裂を生じさせ、米日に警告を与えることが可能だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年7月2日