模倣とイノベーション不足 日本経済の敗因に (2)
1980年代、欧米の先進国が新しい科学技術イノベーションの段階に入ると、日本はその歩みに追いつけなくなった。パナソニックなどの大手電機メーカーは最先端領域から、洗濯機や掃除機といった家電のカウンターに追いやられた。科学技術力の弱体化は、日本製品の目立った特徴になっている。「科学技術強国」が、科学技術の遅れに足を引っ張られるという結果は、日本が避けたかったことだ。しかしこれは事実であり、日本経済の回復の根本的な課題である。
ところが日本の一部の政治家はこの点を改善しようとせず、これを極力隠蔽しようとしている。彼らは少子高齢化が日本経済の足を引っ張っていると強調し、景気低迷と製品の競争力低下を為替レートのせいにしたがっている。円高は日本製品の価格に影響するが、1980−90年代に世界中でブームになった日本の電子製品は、その高価格により魅力を失ったことはなかった。模倣式の科学技術発展の潜在力が尽きた時、イノベーション面で大きく差をつけられた日本製品は、円安により価格が下がったとしても当時の勢いを取り戻すことは困難だ。
イノベーションと発明の能力の欠如は、昔から日本の弱点になっていた。日本政府はこれにやきもきしているが、科学技術の進歩は「計画」できるものではなく、民間で蓄積された創造のエネルギーに頼るしかない。イノベーション国家の風格は、一朝一夕にして形成されるものではなく、熟慮し腰を据える必要がある。しかし現在のアベノミクスは、日本をこのような状態から引き離すばかりだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年6月5日