世界最大の東北トラ(アムール虎)人工繁殖・育成基地である「黒竜江東北虎林園」はこのほど、世界の絶滅危惧種である東北トラの遺伝資質と遺伝的多様性を高める目的で、導入・交流などの方法を通じて海外の東北トラ保護機関と国際協力を展開、同園内で飼育されている東北トラ群の資質向上を図る計画であることを明らかにした。新華社が報じた。
黒竜江東北虎林園の劉丹・チーフエンジニアは、以下の通り説明した。
純血種の交配・繁殖は、東北トラ保護事業にとって極めて重要なポイントだ。これにより、園内で飼育されている東北トラ群の遺伝的な多様性を高めることができるだけでなく、人工繁殖による東北トラの血縁関係を更新することに有益で、群れの遺伝子が衰退するのを避けることもできる。
私たちは、常に海外から東北トラを導入し、DNA鑑定を経て、それが純血種の東北トラか否かを判定している。このような遺伝子の交流、純血種の血縁交流は極めて重要だ。園区の東北トラ群は、決して閉鎖的なものではなく、絶えず外部からの移入と外部への移出を行っている。
黒竜江東北虎林園は、東北トラの繁殖・育成分野のみならず、東北トラの野生化訓練や科学研究など他の分野においても、国内外の関連機関との協力をさらに進め、絶滅危惧種の東北トラの共同保護に尽力する方針という。
東北トラは、中国東北部やロシア・シベリア地方などの寒冷地帯に主に生息しており、世界自然保護基金(WWF)から「世界十大絶滅危惧動物」のひとつに指定されている。中国政府は1986年、世界最大の東北トラ人口繁殖・育成基地を黒竜江省に設立した。20年あまりに及ぶ発展と研究活動が実を結び、設立当初はわずか8頭だった東北トラは、現在では1千頭を上回った。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年4月8日